ワガママな悪魔【d！】 (ページ8)

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tn「ここが食堂。
幹部は集まってないから安心せえ。各自食っとるから」

『全員揃わないクセに無駄にでっかい扉だね』

トントンに軽く小突かれる
お前も初めて見た時絶対そう思っただろ

中に入ると食器が1セット揃えてあった
中身は文字通りパンとスープ

『これ食べていいの？』

「ええよ。ほんなら、俺は書類が残っとるから」

流石に仕事を引き止めることはできない
大人しく席に着いて食べ始める

パンは結構美味しい。イメージではカビたパンでも食っているのだと思っていたから、まともなものを食べていて良かった

「あれあれ、どちらさん？」

気が付かない間に誰か入ってきたようだ
無論幹部の誰かだろう

『アリスだよ。こんばんは』

なんとなく上から目線はヤバい気がして、口調を柔らかくする
フードで目が隠れたその子はゾムと名乗った

zm「へぇ〜、お前ちっさいなぁ！こんばんは！」

『ゾムはだあれ？』

zm「ゾムはゾムやで」

"お前は偉いのか"と探りを入れたのだが、失敗だ
無邪気な笑顔で笑っている

zm「アリスはだーぁれ？」

『一人でご飯食べてたの。ゾムも食べる？』

これは私も探られているのか
咄嗟に話を逸らす

zm「やることもあらへんし、俺も食べよっかな」

『んへ、嬉しい』

ご飯は暇な時に食べるものではない。お腹が空いた時に食べるものだ

そう思った次、隣を見ればえげつない勢いで食べ始めていて絶句した

＿＿＿＿＿

zm「意外に食うんやな！」

『ゾムの方がたくさん食べてる』

ゾムは暴食の猛犬だった
人間のくせに物凄い量を食べる

悪魔は欲張りだからいつでもいくらでも食べることができるが、この子を超える悪魔はなかなかいないだろう
少し気になって聞いてみた

『ゾムって悪魔？』