ワガママな悪魔【d！】 (ページ3)

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「こいつどうするん、」

地下牢だろう
可愛らしい少女を囲んで、二人の軍服を着た男が顔を見合わせ相談しあっていた

その様子を見るに

その…手を出す一歩手前まで来ているように見えなくもない

だが少女は怯えていなかった

『コイツじゃない。様をつけて呼べ』

gr「そう言って名前は教えてくれないのはお前だゾ」

『私の個人情報は安くないの』

俺たちは名乗ったぞと反論するが、少女は腕を組み偉そうにふんぞり返っている

周りには麻縄がゆるりと掛かっていて、軟禁の足元にも及ばぬ、軽い規制線のような役割を果たしていた

tn「お前さんどこから来たんや？敵国のスパイなん？」

『…天界から』

少し渋った後、少女は天井をくいっと指す
その当然のように行われた仕草に、この男。トントンは唖然とした

tn「……」
gr「トン氏！初めて見たゾ。天使は！」

『天使じゃない
私、悪魔だよ？
天界に住んでたけど、神が堕ちたから一緒に落とされちゃった。出禁』

少女は苦虫を潰したような顔をして訂正する
普通なら、悪魔が天界に立ち入ることは許されていない

不可解な訂正に、即座に合いの手が入る

gr「悪魔は天界に行けるのか？」

『ニンゲンってバカだね、私は特別だったの！』

tn「ふん、それでこの悪魔サマはどうしてこちらへ？
その神のウンチャラカンチャラにこの国が巻き込まれる筋合いないんやけど」

眉を吊り上げて怒る少女にトントンが切り込んだ

『んー、それがさぁ＿＿＿＿』