緑谷出久のストーカーやってます【ヒロアカ】 (ページ2)

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2話ページ2

A組の爆豪君は、どうやら緑谷君の幼馴染みらしい。まったく、うらやましい限りである。

あの雄英の試験を余裕でパスしてしまうような人だ。きっと優秀なんだろう。
ただ問題なのは、

「誰だテメー。突っ立ってねぇでどけモブ!!」

この性格である。
初対面の人をモブ呼ばわりするヒーロー志望者がかつていただろうか?

こんな人が緑谷君の幼馴染みだなんて。やはり私はとことんついていない。

どうやって緑谷君のことを聞き出そうか。

「あ、あのさ」
「モブはモブらしく廊下ででも群れてろ!」

ずい、と横へ押しやられる。

少しは話を聞いてくれてもいいじゃないか。
彼がヒーローになるだなんて全く想像もつかない。

……もしかして、食堂へ向かうのだろうか。
だとしたらまずい。食堂には緑谷君がいるというのに。ちなみに昨日緑谷君が食べていたのはカツ丼だ。

今のうちに聞き出すしか……いや今急いでも……。
爆豪君にもう一度話しかけられるだろうか。
彼のような有名人に近付けば、いやでも私は注目を浴びるだろう。そこで緑谷君に気付かれたくない。

きっと緑谷君は私のことなんて忘れている。
だから、とびっきり素敵な出会いをしたいのだ。

爆豪君の背中が遠くなっている。今ならまだ間に合いそうだ。
体勢を低くし、堂々と廊下の真ん中を歩いている。
……でも、今日はやめておこう。

焦っても何もいいことはない。
じっくり相手のことを知っていけばいい。

……って一佳大先生も言っていたし。