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二人でその真新しいカフェに入った。


ほんまはこの後、同期のマルと飲みに行く予定やったのに、Aには気付かれへんよう、
メールで断った。


「ココア2つ」


あの頃みたいに、
言いかけて。


「それで良かった?」

慌てて確かめる。


「ん」

優しくうなづくAは、
あの頃とちっとも変われへんような気もするし、
どこか大人びてて別な人にも見える。



久しぶりに見るAの笑顔。

久しぶりに聴くAの声。


胸が躍ってんのは俺だけ?


「忠義、変わらないね。
時間、巻き戻ったみたいに感じてた」

Aが何度も言う。


「お前も。
変われへんわ・・・」


あの頃みたいに、
お前、て。

呼んでもうてた。


「そう?
成長しないのかなあ。
少しは綺麗になってたかったんだけど」


めっちゃ綺麗や。


今も昔も。


俺にとっては、
世界中で一番。


こんなこと、一生言われへんと思ってたのに。


「お前は綺麗や」


ガラでもない事、言うて。


照れて、ココア飲み込んだら、
口ん中、火傷しそうになった。


二人の間に流れてる空気。


このココアよりも甘ったるい。


感じてんのは、
俺だけやないはずや。



ほんまは気付いてる。


左手の薬指。


何もかも縛る、
小さな輪っかがある事を。

3→←仕組まれた運命。1/∞・緑と橙



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亜季(プロフ) - すれ違いが切なすぎます。自分の気持ちを伝えなかった主人公ちゃん弱虫ー(泣) (2017年10月23日 22時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 書き足されたモノ、読ませて頂きました(^^) とっても刺激的で、ドキドキしました(*^^*) (2017年10月23日 0時) (レス) id: 2e580a9b8d (このIDを非表示/違反報告)
くり(プロフ) - 亮ちゃんはちょっと自業自得やけど…(笑)、しげは不憫…そして照史くんも…。それにしても女はこわいなぁ(>_<) (2017年10月3日 18時) (レス) id: 23a9b7a6e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年9月29日 21時

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