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一日中、仕事に集中出来なかった。
定時過ぎ。
更衣室で私服に着替えてる時、
章大からラインが。
『今日はそろそろ帰れそう。
一緒に帰ろ？
パン屋さんの前で待っといて』
了解のスタンプ押して、
送信。
軽くメイク直して、
オフィスビルを出たところで、
とっくに帰ったと思ってた由貴が、
私を待ってた。
「A！
さっきは他人のふりしてごめんね。
幼馴染なんて言ったら、
みんな仕事やりにくくなるかなあなんて。
気にし過ぎだったかな」
やっぱり、ホンモノの由貴なんだ。
ただの同姓同名。
偶然の産物。
私のわづかな望みは絶たれた。
「ううん。
由貴、雰囲気変わってたから・・・
分からなくてごめんね。
元気そうで良かった」
数年前、
あれからずっと昏睡状態だった由貴が、
奇跡的に回復して退院したって、
中学時代の友達から聞いてたけど・・・
「変わったかな？
ダイエットして少し痩せたけど」
変わった、なんてもんじゃない。
向かい合って話すのが怖いぐらい、
今の由貴は、
私に似てる。
こんな偶然あるわけない。
私に会いに来たんだ。
怖い。
怖くてたまらない。
早く帰りたい。
ここにいたら、
そのうち、章大が出て来てしまう。
それだけは避けたい。
「由貴、ごめんね。
私、今から・・・」
言いかけた私のことを遮って、
「・・・渋谷さん」
由貴が唐突に呟いた。
苦い感情がが立ち込めていく。
渋谷すばる。
私が、
私たちが、かつて、好きだった人。
「A、
渋谷さんはどうしてるの？
大阪に帰ったって噂、聞いたけど・・・」
渋谷さんと別れたことなんて、
由貴だって、きっと分かったはずなのに・・・
「そうなんだ。
私、知らなくて・・・。
あの後から会ってないの」
お願い、もう許して。
道の往来で、叫び出しそうになる。
「A、結婚したんだってね。
安田さんって人と・・・
なんでなの？
渋谷さんと愛し合ってたんじゃないの？」
由貴の声が何重にも聞こえる。
差し迫ってくる、
鬼に形を変えた由貴に、
飲み込まれてしまいそう。
その鬼は、由貴じゃない、
誰でもない、私自身。
頭を抱えて、
その場にしゃがみこみそうになった時。
「A！」
章大の明るい声がして、
一気に現実に引き戻された。
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ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - うわぁうわぁ！！！ぞくぞくしました！ 割と感情移入しまくって読みながら泣いたりたまにセリフが口に出たりするくらいガチで感情移入するタイプの人間なんですけど(笑)、今回は自分がどっちなのか、今初めの主人公はどこなのか混乱して楽しかったです！！ (2018年11月11日 18時) (
レス) id: c2340028d5 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - お久しぶりです。いつもとテイストが違ってゾクゾクしました。どっちがどっち?って思わず読み返しました。 (2018年10月21日 5時) (レス) id: 60a8e9ffa8 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お返事有難うごさいました(/ω＼)私なりの主題歌ドンピシャですよね笑！君がためシリーズ私も大好きで大好きで…何度も読んでます☆ミスチルだったんだ〜！ミスチル大好きなので、もう最高すぎる♪秘密２スリリングでハラハラしました！発想力に脱帽です (2018年10月20日 6時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - ゾクゾクしながら読みました！読み終わっても混乱していますが（笑）面白かったです。 (2018年10月19日 23時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - ヤス君、凄かった…(///∇///) アンケートで投票したくらい、この作品が好きで…普段の甘々な作品とのギャップがたまりません(≧▽≦) 素敵な作品、ありがとうございました♪ (2018年10月19日 16時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年10月3日 10時
