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情けないぐらいに、
声が震える。
タバコの火を消そうとして、
火傷する程に、動揺していた。
「嘘。
どこかに隠してるんでしょ？」
狭い部屋を、忠義の姿を追い求めて、
探し回る清花の姿は、
常軌を逸していた。
「隠してなんかない。
本当だよ？
忠義は・・・」
「忠義なんて、呼ばないで」
清花は正気じゃない。
大きく見開かれた、
壊れた人形のような虚ろな瞳。
忠義が不気味がってた・・・
本当にホラー映画のようだと、
こんな状況なのに、
どこか違う場所から、
冷めた目で見てる自分がいる。
私が腰掛けている、
ベッドの下を、
床に這いつくばって、
確かめた後。
清花は、私の目の前に立ち、
凍りつくような視線を落とした。
妹にこんなひどい仕打ちをして、
謝らなきゃ、って、
懇願して許しを乞わないと、
頭では分かってるのに、
私はそうはしなかった。
「忠義さんと、ここで抱き合ってたの？」
清花がベッドに私を押し倒す。
果物ナイフの刃が、
耳を掠めた。
「・・・」
ここで、清花に殺されるのかもしれない。
ああ、どうせ死ぬのなら、
忠義に伝えれば良かった。
何もかも洗いざらい打ち明けて仕舞えば良かった。
・・・いいえ。
秘密のままで、消えられるなら。
その方がずっと幸せだ。
「愛人の娘は、
やっぱり同じことをするのね。
私に復讐出来て、満足？」
「違う。
私はきょうちゃんのこと、
恨んだりしてない。
父親のことでさえ・・・」
ただ、忠義を好きになってしまっただけ。
清花へのねじれた感情は関係ない。
「嘘。
恨んでるに決まってる。
同じ娘なのに、
お父様は私に全てを与え、
お姉ちゃんには、
苦痛以外、
何一つ、与えなかった。
お姉ちゃんはずっと日陰で生きてきた。
愛人の娘だと人に揶揄されながら」
数ヶ月だけ後に生まれた妹の存在を知ったのは、
いつの事だっただろうか。
清花は覚えてないだろうけど、
まだ幼い頃、
私たちは一度、会っている。
世の中に、
こんなに無邪気に、
なんの疑いもなく、
幸せであることを、
享受出来る子供がいるんだと、
幼心に衝撃を受けたことを覚えてる。
愛されること、与えられることが、
当たり前の、
私とは正反対の、価値のある人間。
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ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - うわぁうわぁ！！！ぞくぞくしました！ 割と感情移入しまくって読みながら泣いたりたまにセリフが口に出たりするくらいガチで感情移入するタイプの人間なんですけど(笑)、今回は自分がどっちなのか、今初めの主人公はどこなのか混乱して楽しかったです！！ (2018年11月11日 18時) (
レス) id: c2340028d5 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - お久しぶりです。いつもとテイストが違ってゾクゾクしました。どっちがどっち?って思わず読み返しました。 (2018年10月21日 5時) (レス) id: 60a8e9ffa8 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お返事有難うごさいました(/ω＼)私なりの主題歌ドンピシャですよね笑！君がためシリーズ私も大好きで大好きで…何度も読んでます☆ミスチルだったんだ〜！ミスチル大好きなので、もう最高すぎる♪秘密２スリリングでハラハラしました！発想力に脱帽です (2018年10月20日 6時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - ゾクゾクしながら読みました！読み終わっても混乱していますが（笑）面白かったです。 (2018年10月19日 23時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - ヤス君、凄かった…(///∇///) アンケートで投票したくらい、この作品が好きで…普段の甘々な作品とのギャップがたまりません(≧▽≦) 素敵な作品、ありがとうございました♪ (2018年10月19日 16時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年10月3日 10時
