き ん だ ん _ ¿【桃】

Story-0-42 ページ42

「あぁ、いいよ。」


私のためにしゃがんでくれる。


ただ、気に食わないことが。


(なんで照れてくんないの…)


さとみくんは、私が可愛い格好をした時しか照れてくれない。


なんでそんなに余裕ぶってられるんですか、さとみ先生。


息をゴクリとのんで、さとみくんの鎖骨の下あたりに顔を近づける。


それから不器用に、そこを吸って、何回も吸って離れてを繰り返す。


そしたら初めて、のキスマが完成した。



「Aからの、キスマ…嬉しい。」


『私も、さとみくんからのキスマ、嬉しいよ。』



そう言って笑い合いながらおでこをくっつける。



「離れないでね？」


『離さないでよ？』


「離すつもりなんてないけど。」


『離れるつもりなんてありません。』


「でも、離れても平気だね。」


『その前に離す気ないんでしょ？』


「はは、バレた。」


『私も同じだもん。』



私たちは今日も、平和です。

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