致命的、〇〇cm。

◇31cm ページ41

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「おっきなわ！おっきなわ！フフンフフンフーン♪」

「なんなの、そのテンションは(笑)」

「だってぇ〜、あのすんばらしい〜ビーチで！あっそべちゃうんだよ〜ん♪」

「wwwwwww」



遥がとなりで笑い転げてるのは、さておき。待ちに待って待って待っている沖縄合宿まで1週間というところまできている。



「なーーんくるないっさァァァァ」

「うるさいよA」



ぺちり、と頭を叩かれる。後ろを見れば呆れた顔の沙織さん。



「楽しみなのはわかるけどあくまでも合宿。場所がどこであっても私達がやることはバレー。分かってる？」

「うぃっす」

「ハイ、その顔は分かってないね」



浮かれてた罰としてブロック練100本！！と言い渡される。



「さーおーりーさぁんそれだけはご勘弁を！！」

「だーめ。苦手なことは克服しましょう」

「べ、別に苦手とか言ってないし……？」

「じゃあもう100本追加で」

「スイマセンｯデシタァァァ」



綺麗なスライディング土下座を決める。これは祐希直伝。え？なんで祐希がって？

いつもマサ先輩にやってるんだとか。



「もう。ほんっとに。いい？私達女子はリオがあるの。男子の分まで頑張るの。気を抜いてるヒマなんか無いんだからねー？」

「はーい……」

「はい、そうと分かればブロック練！」

「結局やるんですねーーー！！」



ーーーー



「おっきなわおっきなわ嬉しいなー♪」

「祐希、練習中」

「わかってるけどー。やっぱ楽しみなんだもーん」

「去年も行っただろ」

「沖縄は何回行っても楽しみなんだよ！特別なの！マサさんだって実は、結構楽しみにしてる癖にー」

「うるさい」



このこのー、と脇腹を肘でつつくと、強烈な右手のひらが後頭部に飛んできた。イタイ。



「200本サーブ練な」

「えええ！！！まってアタック！！スパイク打ちたい！！」

「え？なんて？200本なんて少なすぎるって？熱心だなあ」

「もうごめんなさい調子乗りましたからかってすんませんスパイク打たせてください柳田様」

「おお、ノンブレス」

「まーさーさーーーんゴメンってー」



縋り付くように綺麗なスライディング土下座を決めた俺は、Aを思い出す。

そういえば、これ教えたな。


………やってんのかな？




(もう、終わらせてくださぁい……)
(はい、A残り92本！)
(まだそんなあるのー……)
(ツベコベ言わない！)
　


同じように怒られ罰を受けている彼女を、石川は知らない。

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