致命的、〇〇cm。

◇24cm《柳田&石川side》 ページ32

．



自主練中、マサさーん。と呼ばれた。声の主は祐希。ちょいちょいと手招きされる。その顔は、何かオモシロイ事を考えた時の顔だ。絶対余計なこと考えてるな、コイツ。


近くにいくと、側には困り顔のAちゃん。この二人、最近一緒にいるよなあと思う。こないだまで、顔合わせたら喧嘩してたクセに。



「マサさんあのね……」


耳貸して、と祐希が耳に顔を近づける。


「明日、俺とAと、タカで出掛けるんだけど。タカがA誘ったんだよ。俺は面白そうだからついていくの。マサさんも来るでしょ？」


は？なんかツッコみたいこと山ほどあるんだけど。



祐希、なんでお前Aちゃんの事、呼び捨て？いつからそんなに仲良くなったの？

タカとAちゃんって知り合いなの？あいつそんな事一言も言ってなかったよな？



何故だか無性にイラッとして。
だけど、平然を装ってAちゃんと向き合う。



「Aちゃん、俺も行く」

「ええーー！？」



タカが行くんだから、俺だって行く。(※そんなルールはございません)



「ダメ？」

「だ、駄目じゃないですぅ……！」


Aは首をブンブンとふる。
相変わらずである。首は痛めないのだろうか。


ちらりと祐希を見ると、ニヤけまくってる。顔、出過ぎな。



じゃあよろしく、とだけ言って自分の練習に戻る。その後ろで、Aちゃんと祐希が何か言い合ってたけど。それにすらイライラして。



「俺、最近ストレスでも溜まってんのかな……」



まあいいや。明日は試合のDVDでも見てオフを過ごそうと思っていたけど、急遽予定変更だ。



「タカに問い詰めてやろう」


根掘り葉掘り吐かせてやる。



さて、明日はどんな格好で行こうか。


＊＊＊

《石川side》


ピロン、と軽快な音が部屋に響く。
同室の健太郎さんは、まだ帰ってきてない。


Yu-ki明日、俺とマサさんも行くから。

タカまじすか、マサも?これまたなんで


タカの返事に笑ってしまう。一部始終を知っている俺は、ニヤケが止まらない。とっても愉快である。

俺は事情はまた説明するから、とだけ送ってスマホの電源を切った。



「さてどんな事になるかな(笑)」



なんともいえない顔をした柳田兄弟と、Aの顔が浮かんで仕方ない。


「あ、それはそうと」


どんな服を着て行こうか。
顔の見知ったメンバーでも、それなりの格好をしないと。

俺はキャリーバッグを漁った。

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