致命的、〇〇cm。

◇3cm ページ3

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「……合同、練習」



次の日、気持ちが落ち着かずにいた。



「Aーソワソワしすぎ！(笑)緊張してるのはわかるけどさあ」

「み、望悠さあーん……」



ヨシヨシ、と頭を撫でてもらう。望悠さんまじ格好いい。惚れる。惚れてる。大好き。



「もうすぐ男子着くってさ。沙織さんがいってた」

「ふぉやあは」

「A、日本語しゃべろっか……(笑)」

「うううー……！」



男子との合同練習に緊張してるのは、初めて参加するからというのと、もう一つある。



憧れのあの人に会えること。



「しゃ、しゃべれるかなあ？」

「だーいじょぶ。優しいから。いつものAでね。」

「望悠さん、話したことあるの！？」

「まーねー、一言二言だけど(笑)試合のアドバイスとかで」

「な、なんと……！！」



私の中での望悠さんの株がさらに上昇した。


そうして喋ってると、体育館がザワザワし始めた。お願いしゃーす、と野太い声がする。



「だ、男子来た！？どうしよ…」

「そうみたい。私、ちょっと沙織さんとこ行ってくるから。待ってて」

「ううあ？！望悠さーん！」



ポツリと取り残される。

どうしよ、無理無理無理。緊張する。



近くに誰かいないかと、キョロキョロとしていると体がふわっと浮いた。



「うわぁあ！？……な、なに！？た、高い！怖っ…！ひゃぁあ！？！誰？！」



私、抱きあげられてる？なんで！？
てか誰！？



「おーい、誰や？家族連れ込んだの。誰の妹？」

「は？」



家族？妹？



「ちょ、降ろして！！」

「うーんそう言われても。キミは誰の妹？なんでここおるん？」

「は！？なんでって合同練習する為にきまってんじゃん！！良いから降ろしてよー！(泣)」



バダバタともがいてると、このゴリラみたいな人の隣にいた薄毛の人が、「ちょ。清水さん、この子あれですって！」と私を指差した。



「今、期待されてる新人スパイカーの、篠宮A！」

「ええ？！この子が！？」



あまりにも驚くから、「篠宮ですけどなにか？」とギロリと睨んでやった。


すると、すいませーん！！と奥から沙織さんと望悠さんが駆けつけた。



「うう……沙織さんっ……望悠さんっ…！」

「すみません清水さん！その子降ろしてもらっていいですか？」

「ああ、ええけど……」

「A行くよ！清水さん、また後で！」



沙織さんに引っ張られて、その場を強制退場。
ゴリラさんにはあっかんべーとしてやった。

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