◇13cm《柳田side》 ページ13
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て、思うんだけど。……って
「あれ、俺声に出てた?」
目の前で真っ赤な顔で頷く彼女。ブンブンとそりゃあもう勢い良く。首、取れそう。
「ほ、ほら。篠宮ちゃんみたいな年下の子見ると、兄心が生まれるっていうか……まあ、そんな感じで」
「は、はいぃ。そ、そっすか!」
なんで、俺こんなに必死に言い訳してるの?
「とにかく、それで……」
「はい……」
「ごめん。今のは忘れて。訳分からないことになったから」
「そ、そうですね!」
非常に余所余所しい空気である。傍から見たら、いったいこの光景は。
「あ、そうだ。俺からも一つ聞いてもいい?」
「ど、どーぞ!!」
真面目にバレーの話しよう。なに動揺している柳田将洋。普通にバレーの話をしたら良いじゃないか。
「さっきの試合で見てたんだけど。あのブロックアウト。どうやってるの?」
「ええ、えと、どう、とは?」
「ああ抽象的すぎたかな。んーと、コツとか。どれくらいあれ完成するのにかかった?」
「えと、高校からバレー初めて……。私なりの戦い方を見つけたのが、高3の夏で…。えと、だから、大体3年半、てとこでしょうか?」
「高校からバレー始めたの!?」
「はいっ、もうだから。最初はほんとド下手くそで。チビだし…。だけど、チビでもバレーをやっちゃいけない理由なんて無いと思うんです。バレーが好きなら、バレーを愛してるなら、それは立派なバレーの一人の選手なんじゃないかと」
彼女の言葉が一つ一つ、俺の胸にストンと落ちてくる。
「だから、チビで戦える私なりの方法がたまたまブロックアウトだったんです」
「へぇ…」
「て、わたしばっかの話聞いて大丈夫ですか!?全然参考にならないかと……」
「まあ、そうかもね(笑)だからさ。教えてよ、ブロックアウト」
「へ」
なんでこんな事口走ったのかは、俺には分からない。
「自主練の時、とかさ。篠宮ちゃん直々に教えてよ」
だけど、なんとなく。ほんとになんとなく。彼女の事を知りたいと思ったから。
「わ、私なんかで良いんですか!?」
「うん、篠宮ちゃんじゃなきゃ駄目なんだよ。だって、あのブロックアウトは篠宮ちゃんのモノ、でしょ?」
「……!」
そうかもしれないです、嬉しそうにニッコリと君は笑う。
「じゃあ、約束、ね」
「は、はいっ。約束、です!」
指切りげんまんをして、今日のとこは別れた。
(触れられた指が熱いぃ……)
(明日は楽しみだなぁ)
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夏(プロフ) - 高橋優さん» ありがとうございます!最近は更新が停滞してしまって……>< (2017年1月29日 16時) (レス) id: 158d7772d4 (このIDを非表示/違反報告)
高橋優(プロフ) - 楽しみにしてます!頑張ってください!! (2017年1月13日 22時) (レス) id: b132b1eb85 (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - CMYさん» ほんとにほんとに更新出来てなくてすみません!!!!!!受験勉強で時間取れなくて………。ほんっとうに申し訳ないです!応援いつもありがとうございます!!すごく有りがたいです。期待に添えずほんとうに申し訳ないです。なんとか頑張っていきます!! (2017年1月10日 22時) (レス) id: 158d7772d4 (このIDを非表示/違反報告)
CMY - 復活されてこちらもとっても嬉しい限りです!夏さんのペースで構わないので、これからも更新待ってます!頑張って下さいね!応援しています!!! (2016年8月24日 12時) (レス) id: 12f3ffde3b (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - CMYさん» 返信遅くてすみませーーんん!!!(泣)実は、テストの点があまり良くなくて、携帯使えなかったんです………。更新また再開していくのでよろしくお願いしますね!!ずっと待っててくださってありがとうございました!!!(泣) (2016年8月23日 16時) (レス) id: 158d7772d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏
作成日時:2016年7月1日 21時