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『今日はEXILEの皆さんがダンスを教えにきてくれましたー!』






張り切った園長の声。



幼いながらに私は、今日は園長にとって特別な日なんだということがわかった。






『EXILEの皆さんが、みんなにダンスを教えてくれるわよ〜』






なにかのテレビの企画で、

施設の子供達にEXILEがダンスを教えにくる

というものが実施された。



当時まだ小学生は低学年の私には、

ダンス なんてよくわからなくて。






MT『君も、ほら』






ただでさえ人間嫌いだったというのに、

めちゃくちゃイカツイ兄ちゃんたちが

急に来たことに恐怖を拭えないでいた。



こちらに手を差し伸べたMATSUさんさえも

プイッ と無視してしまったくらいだ。






『Aちゃ〜ん?ほら、あなたもこっちへ来なさい』






仮にも私の面倒を看ている身なのに、

私のことなんて何も知らない。



そんな園長が呑気な声で私を呼ぶ。






HR『君、Aちゃんって言うんだね。おじさんはHIRO。EXILEの、HIRO』


A『…』






なかなか歩み寄ろうとしない私に近寄ってきたのは

他でもない、HIROさんだった。



部屋の隅っこで

体育座りをしていた私の前にかがみこんで、

笑みを浮かべている。






HR『Aちゃんも一緒に踊ろう』






ジトっとした目で見る私を、

HIROさんは少しも良くは思わなかっただろう。






HR『僕たちが踊るのは もちろん自分のためだ。けど、それ以上に誰かのために踊ってる。君みたいに、目に光の宿らない人に、もう一度光を与えるために。君みたいに、世界をシャットダウンしてしまった人に、もう一度世界を見てほしくて』






” 俺たちは踊るんだ ”



そんなに難しい言葉ばかり並べられても、

当時の私には到底わかり得ない。



それでもHIROさんの意思は強かった。



HIROさんの目をじっと見たまま

頑なに動こうとしない私を、

HIROさんは無理に立ち上がらせた。

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ぱーぷる(プロフ) - おかえりなさい!&大学合格おめでとうございます!わたしも同じ受験生として、勉強頑張ろう…息抜きで読ませてもらってます!続き楽しみにしてまーす(^o^) (2016年11月30日 19時) (レス) id: 67aa355946 (このIDを非表示/違反報告)
亜紀(プロフ) - 大学合格おめでとうございます(o^∀^o)これからも頑張って下さいねp(^-^)q (2016年11月24日 0時) (レス) id: e2e538d83b (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - おかえりなさい!更新待ってましたー大学合格おめでとうございます!これからも更新がんばってください!楽しみにしてます!この作品大好きです!!! (2016年11月21日 19時) (レス) id: 28c0d84d93 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん。(プロフ) - 待ってましたーーー!!おかえりなさい!合格おめでとうです ## 全然すっからかんじゃないですよ!これからもがんばって!!! (2016年11月21日 17時) (レス) id: da317d6ce2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいはん(プロフ) - おかえりなさい!更新楽しみにしてます〜☆ (2016年11月20日 21時) (レス) id: f0cff28e46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スフィンクス | 作成日時:2016年7月25日 18時

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