keep hope alive ３ - 3JSB -

１３０. ページ36

、



A『産んでくれなんて…』






HIROさんが呟くようにAの名前を言った後、

Aの声が微かに聞こえた。



メンバー全員がドアに耳をくっつける。






A『産んでくれなんて頼んでねぇんだよクソ野郎！！！』






聞いたこともない、心の底からの悲鳴。






A『生まれたくて生まれて来たんじゃねぇんだよ！！！！』






何かがあふれて来そうになるのをグッと飲み込んだ。






A『こんな人生クソ喰らえだよ！！！どうせ生まれてくるなら、もっと幸せな、普通の両親の元に生まれたかったよ！！』






やめろ。A…。






A『どれだけ自分の存在価値を問うても、答えが見つからないの！！私の生きてる意味が！見つからないんだよ！！』







それ以上自分を否定するな。






健「HIROさん！！」


HR「ダメだ！Aはまだちゃんと言えてない…！」






HIROさんはあいつになにを求めてんだよ！






A『いつまで経ってもあんたらの影に脅かされて、いつまで経っても私はガキのまま。もう私の親でもなんでもないくせに、私の前に現れんな！！！』


『いい度胸してんな、お前』






もう、やばい。



そう思ったと同時に、

HIROさんがドアを勢いよく開け放った。






HR「それ以上は、警察沙汰だぞ」






驚いた様子のおっさんは、

怯えたように縮こまるAに向かって

拳を振り上げていた。

１３１.→←１２９.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す