keep hope alive ３ - 3JSB -

１２０. ページ26

、



剛「……」


A「……」





ああ、ヤだな…。



すごく嫌だ。






「では、お時間まで少しお待ちください」






行かないでくれスタッフさんよ…！



二人きりにしないでくれ…！！






そんな願いもむなしく、

収録内容諸々を話し終えたスタッフさんは

早くも楽屋を出て行ってしまった。



いや、いずれはこういうことがあることぐらい

いつでも念頭に置いてはいたんだ。



ただ、いざこうなると困るし、嫌なんだよ。






剛「……」







今だって、スタッフさんが出て行くや否や

楽屋の隅に移動して

スマホに熱中してしまった岩田さん。



そもそも期待などさらさらしていないけど、

会話がない楽屋、

加えて苦手な相手とのこの空間はキツすぎる。






剛「お前さぁ」


A「っ、」






びっくりしたぁ………。



ぼーっと考え込んでいた私に、

スマホから目を離すことなく言葉を発した。






剛「あんま調子乗んなよ」


A「…？」


剛「最近よくしてもらってるからって、あんま調子乗んなっつってんの」


A「ﾑ……、」






だろうね。



岩田さんが

私が三代目含め他のメンバーと仲良くすることを

よく思っていないことくらい、

とっくの前に気づいてた。



それは自分のおもちゃを取られた子供のような、

嫉妬に近い感情。






A「岩田さんにそんなこと言われる筋合いありません」


剛「は？」


A「悔しいなら取り返してみてください」


剛「……お前マジで生意気だな。うっぜぇやつ」


A「そっちこそ」






ぷい、っと同時に顔を逸らしたものの、

その後の収録に支障は一切きたさない。



そこからは仲良しを演じきり、

無事に収録を終えた。

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