keep hope alive ２ - 3JSB -

７３. ページ25

、



今までたくさんの努力を重ねてきた。



暇さえあれば

日々トレーニングにボイトレにダンスレッスンと、

ストイックに自分を追い込んで

体を壊すことも怪我することもあった。



なんて、そんな格好悪いこと誰にも言えなくて、

我慢して仕事したこともあった。



いつか誰かが ” 努力は必ず報われる ” とか

” 誰かが見てくれている ” とか

そんなこと言っていたのを思い出せば、

そんなことちっともないじゃないか って

ひねくれた 私はそう考える。



結局、アンフェアな世界なんだ。






A「…っ、…………」


HR「起きたか、」


A「HIROさん…？」


HR「大丈夫…………、」






目がさめるとそこには見慣れた天井が広がっていて

ベッドサイドに置かれたチェアには

HIROさんが前かがみに座っていた。






HR「…………なわけないか…」


A「………、大丈夫ですよ」






幾人かしか知らない私の家に、

HIROさんはなんだか不釣り合いで。



まだまだ肌寒い季節だというのに、

HIROさんはＶネックの白シャツに黒のパーカー

一枚という姿でいつものようにマスクをつけていた。






HR「敬浩から掻い摘んだ話は聞いたよ」


A「そうなんですか…」






何故そこに敬浩さん？

と言いたくなったのを面倒くさいと飲み込んで、

ゆっくりと身体を起こしてHIROさんの方に向き直る。






A「なんか、カッとしちゃって。言い方は…、確かに私が悪かったんですけど、なんにも知らないくせにって思っちゃって」


HR「……………そっか」


A「話すことなんて一生ないと思ってたんですけど…、最悪です…」






はぁ、と息をついた私に対して

HIROさんは嬉しそうに微笑んだ。






HR「今日はよくしゃべるね」






そんなに感情を表に出すの、珍しいね と。

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