71. ページ23
、
敬「…………………、泣かしたの?」
先ほどまでヘラヘラとやっていた敬浩さんは、
Aの顔を覗き込んで低い声でそう言った。
敬「泣かしたのか聞いてんの」
臣「……………はい…」
怖い
その一言に限るかもしれない。
ギロリと俺に向けられた目の奥が鋭く光っていて、
俺を責め立てるようにジリジリと場の空気が悪くなる。
臣「Aの過去を聞きました」
敬「ぇ…」
臣「頑なに隠していたはずの過去を、こいつは これで満足か とでも言うようにもらしました」
敬「おま…、なんてこと……」
深くため息をついた敬浩さんに、思わず
問いただしたのは直己さんだし
とか思ってしまう自分が事の発端だ。
敬「俺だって、オリメンの三人だって誰も知らない、知りたいことをよくもまぁそんな悪い形で聞いたもんだな」
臣「…………はい…、」
敬「こいつは、Aは誰にも自分のことを話したがらないし、そもそも自分の存在価値を認めていないような子だよ」
臣「…、」
敬「お前らの仲が最悪なんてこと、みんな知ったことだ。隠そうとしてるみたいだけど、お前らももう子供じゃねぇんだ。誰かに言われて仲を修復するなんてガキみてぇなんじゃなくて、自分たちだけでどうにかできる問題だろ」
熱いな……。
隆二とはまた違った、情に対する熱さ。
敬浩さんの率直な言葉が俺の胸の内をくすぶる。
敬「こいつがデビュー前からどんだけ努力してきたかなんてお前らには全くわかんねぇだろうな!馬鹿みたいにトレーニングしてダンスレッスンにボイトレに自分いじめ抜いて熱あっても調子悪くても関係ない。そんな努力、知ってたか?」
臣「……っ、」
敬「才能とかHIROさんの好意で とかそんなんじゃない。こいつが三代目に選ばれたのは努力と実力だよ。遅くまでスタジオこもってて施錠されて帰れなくなっちゃうようなやつだぞ⁈ そんなやついじめて……、なにが楽しいんだよ…」
俺から目を離してAを見つめるその目は、
優しさで溢れていた。
臣「すみません…………」
2737人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スフィンクス(プロフ) - あこぴーさん» ジンギスカンキャラメルおいしかったですか?!私はあまり好まない味でした(笑)いろんなシリーズってどんな感じですか?(;_;) (2017年4月28日 16時) (レス) id: a701b75e64 (このIDを非表示/違反報告)
あこぴー - 関係ないですけど、私、ジンギスカンキャラメル食べたことあります!私は美味しいと思いました!(笑)話変わりますけど、もっと、いろんなシリーズのお話が読みたいです!いつもなんか元気もらってます!頑張ってください! (2017年4月28日 10時) (レス) id: 20d31df5e8 (このIDを非表示/違反報告)
さきら(プロフ) - すごく1がみたいですっ 完成待ってます!! (2016年5月24日 15時) (レス) id: 090b19a747 (このIDを非表示/違反報告)
真衣(プロフ) - スフィンクスさんのお話大好きです( ; ; )待ってます( ; ; ) (2016年3月6日 22時) (レス) id: c72822487c (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - ずっと舞ってました\(^^)/これからも頑張ってください! (2015年12月26日 11時) (レス) id: 5218b22eec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スフィンクス | 作成日時:2015年9月15日 1時