第百三十話 母親の本性 ページ38
■NOside
呆然と言葉を失うクロウリー達を目の前に、フィレンツェが何度もAの髪や胸ぐらを掴んで引っ張ったり暴言を言ったりと母親とは思えない行動を見せる。
_______これがフィレンツェの本性なのだろう。
Aに自分の本性を見せつけられたにも関わらず、動揺しないで冷静に振る舞う。
「あーあ。勿体ないですね…その血。いつまで寝ているのですか。早く立ちなさい!!帰りますよ!!」
「っ貴方……」
「ディア・クロウリー…私はもう、何も聞きたくありません。Aを甘やかすからこうなるのです。こうなる程、Aを危害に加えたくなければ諦めて下さい。
貴方もですよ。魔力が使えない女性さん。」
「っ……」
クロウリーとユウを軽く睨み、
"さあ、帰りますよ"と、表の仮面を付けて言うフィレンツェ。そしてAの腕を強く掴み立たせる。
更にボロボロになったAは、もう逆らえないと分かったのかフィレンツェの言う通りに立つ。
その姿を見守る事しか出来ないクロウリー達。
「フラフラしますか?大丈夫ですか?立てますか?」
『……大丈夫、です。』
「そうですか…はあ…私だってこんな事はしたくないんです。ですがアレは全部、貴方が悪いんですよ。」
『……は、い。』
さっきまでの行動が嘘かのような優しく、落ち着きのある声をAにかけるフィレンツェ。その事に慣れているのか、Aはフィレンツェに聞かれた事を応える。
立てるのでもやっとの筈なのに、大丈夫だと笑って嘘を吐くA。それを聞いてフィレンツェも優しく笑うが、すぐに真顔に戻る。
「もうそろそろ帰らせて頂きますね。闇の鏡を貸してくれませんか?」
「っ…分かりました。闇の鏡がある鏡の間は此方です。」
「有り難う御座います。さあA、行きますよ。」
『……は、い。』
帰る為に闇の鏡を貸して欲しいと頼むフィレンツェに、言いたい言葉を呑み込んで、闇の鏡を使う事を許可するクロウリー。その返事が聞けて満足するフィレンツェ。
その後にお礼を言い、Aに声をかける。返事が返って来たのを確認したら背中を押して前へ歩かせる。そして、ユウ達に一人一人に丁寧に礼をしていくA。
彼女の心はもう、諦めかけている。
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ユユユ - 初めてコメントします!先日から読み始めたのですが、夢中になって一気に読んでしまいました!世界観が作り込まれていて、すごく面白いです!これからも頑張って下さい! (2021年10月14日 17時) (レス) @page50 id: 38e3ee99a0 (このIDを非表示/違反報告)
あぶら菜 - 黒鬼さん» 黒鬼様コメント有り難う御座います。そう言って下さり嬉しいです。応援有り難う御座います。更新、頑張りたいと思います(*^^*) (2021年7月2日 18時) (レス) id: 8019e5d7e3 (このIDを非表示/違反報告)
黒鬼 - このお話大好きです!じゃけぇ更新頑張ってください!! (2021年6月30日 20時) (レス) id: 02079f421c (このIDを非表示/違反報告)
あぶら菜 - サナさん» サナ様コメント有り難う御座います。そう言って下さり有り難う御座います。夢主が救われるまで更新、頑張りたいと思います(*^^*) (2021年6月5日 16時) (レス) id: 8019e5d7e3 (このIDを非表示/違反報告)
サナ(プロフ) - 面白いです!夢主が救われますように…!と思いながら更新楽しみに待っています! (2021年6月5日 14時) (レス) id: 4fce5af3ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あぶら菜 | 作成日時:2021年5月18日 17時