うちにおいでよ～EXO～2 (ページ13)

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赤い目のまま仕事をしたのは初めて。

どうしたの？と同僚に言われたけど、大丈夫と言ったら深くは聞いてこなかった

家に帰ると、チャニョルとギョンスが迎えてくれた

優しい笑顔に泣きそうになる

テーブルには和食が並べてあった。

食欲はなかったけど、あまりにも美味しそうだったので思わず顔が綻んだ

「ジュンミョニヒョンに聞いたよ。ギョンスに電話がかかってきて、俺も聞いた」

「うん……そういうことだから」

ギョンスは何も言わずわたしを見ていた

「わたし、週末にはここを出ていくね」

「え！嘘！」

「なんでですか？ヒョンは住んでもいいって、」

いい機会だと思った。

先週マンションの大家さんから、もう工事は終わって何人かの住人は戻ってきてる、と電話が来ていた

ジュンミョンさんにもチャニョルにもギョンスにも、甘えてばかりだったし

ギョンスのことは……ギョンスの好意から『逃げてる』と言われてもしかたないけど、少し、1人になりたかった

食事も終わり、チャニョルは部屋に戻りリビングにはギョンスと2人きり

「これと、これも。あとこれ」

ギョンスは呟きながらわたしにコートを着させ、マフラーを巻き、手には温かいコーヒーが入ったマグカップを持たせた

されるがままのわたしは言った

「屋上行くの？」

「そうですよ」

いつの間にかギョンスもダッフルコートを着て、片手にはマグカップを持っていた

冬の夜は星がキレイに見えるから好きだ

寒いけどね。

「荷物はもう、まとめたんですか？」

「まだだよ。少ないし、すぐ終わると思う」

「淋しくなりますね」

「うん……」

ギョンスはその大きな目を駆使してわたしに訴える

「ねぇ、本当にマンションに帰っちゃうの？」

敬語を使わないあたり、やっぱりギョンスは確信犯だと思う

こんなギョンスを可愛いと思わない人はいないだろうな

「ごめんね」

そっと頭を撫でてあげた

「ヌナ、僕じゃダメ？」

あーー！可愛いーー！！

ダメダメ！ダメだよ！わたし！

「少し、1人になりたいの」

決心が揺らいでしまう前に、早く出て行こう。

早く週末が来るといいな。