Episode19 あいたくない ページ19
毎朝セットしているアラームが鳴らなかった
だがその代わりに、雨音が聞こえてきた。
目を開けると見覚えのないものばかりだった。
起き上がろうとすると、頭がズキズキと疼き始める
"あれ、怪我したの足だけじゃなかったっけ"
しばらするとマネヒョンが来て、医者さんから説明を受けた。
足の内出血に加え、心因性発熱、頭の打撲。
心因性発熱とは、主にストレスが原因となり、
急性もしくは慢性的なストレス状況下に置かれた時、体温が上昇し平熱以上になることを指す
、らしい
あらかたの説明を聞き終えると、点滴を打たれた
心因性発熱は普通の風邪による発熱の際に有効な解熱鎮痛剤が心因性発熱では効果を示さないため、足の怪我も相して打たれたのは痛み止めだった。
医者さんは「一時間後にまたきます」と言って病室から出ていきマネヒョンと二人きりになった
外は雨が降っているからか薄暗く、午前か午後かの判別すらつかない。
「マネヒョン、今何時ですか」
「今は朝の9時、面会時間始まってすぐだよ」
「てか、VIP室に入るレベルになったんだな」
窓の外の景色を眺めながら言うマネヒョン。
生憎そうですねと返せるほど僕は成長していない
「メンバーは全員オフだよ、来たがってたけど世間にバレると色々めんどくさいから」
マネヒョンが淡々と話していても、僕は黙りこくっていた、マネヒョンが返事を期待していないと知っていたから。
「テヒョニヒョンは元気ですか？」
突然投げ掛けた質問もマネヒョンは拾って丁寧に答える。
「元気だよ、Aの分のお菓子を買ってきちゃうくらいには」
「A、」
突然名前を呼ばれ思わずマネヒョンの方を向く。
「Aがどういう考えをしててメンバーの事をどう思ってるのか、全ては分からないけど
気を遣いすぎないようにね
皆、Aが大好きなんだよ」
「それだけは覚えておいて」そう付け足すと二人とも話さなくなった。
.
「あぁw泣かないでw」
「A、逃げてもいいんだよ」
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作者名：小豆 | 作成日時：2021年4月20日 18時
