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あの子のお披露目の動画がアップロードされれば、やはり予想通り、荒れ果てた。
女1人でどうして?
枕営業?
絶対に何かコネがある!
心無い言葉は、張本人でない俺でさえ傷つく。
結局、話し合いは出来ないまま今日に至る。
彼女は宿舎にいるのかいないのか、それさえも分からない。
たまに、夜中にシャワーの音が聞こえてくるから、おそらく僕たちが寝静まった頃を見計らって、色々としているのだろう。
あの子が正式にお披露目され、僕たちのファーストアルバムの準備がいよいよ本格的にスタートする。
新曲の振り付けの練習に、レコーディング。
今回こそは、僕たちの音楽を届けようと、誰もが必死だった。
何より、音楽番組で1位を獲得できるように。
練習室の真ん中で、ダンスリーダーのホソガが、今回のタイトル曲の振りを、トレーナーと一緒に練習中。
今回もダンスは、やっぱり激しめ。
これは居残りの予感だ。
チラリ、あの子の方を盗み見る。
ジッと、ホソガから目を離さない。
まるで、全てを見透かしているかのような。
初めての8人でのフォーメーション作り。
僕は出だしか..
「サビの手前は、Aだ」
驚いた。
早速センターを任されるとは。
A「はい」
彼女に視線が集まる。
「メインボーカルとして、ここは声を張るところだから、頑張るんだぞ」
一瞬、この場の空気が変わったのがわかった。
それは、僕たちが、彼女のポジションを知らなかったから。
まさかメインボーカルだなんて。
1番驚いているのは、おそらくジョングガ。
「次は、ここのサビの部分は..テヒョナに任せる」
線の細い彼女が、さっきのホソクが踊っていたものを踊れるとは到底思えない。
だけど、初めて会ったときに見た、あのダンスは、きっと本物。
でも、踊ることと歌うこと、同時にとなると話は別。
メインボーカルのあの子の実力を見てから、話し合いをするのでも遅くはないかな。
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作者名：エヌ | 作成日時：2020年12月31日 16時
