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こういう雰囲気は、無関心な俺であっても、正直言って嫌なものがある。
特に、隣のジョングガ。
何が言いたいかは、何となく分かる。
YG「..顔に出てるぞ」
そんなにムスッとしていると、撮影の時に怒られるぞ。
今は新曲MVの撮影中。
黒を基調とした衣装を身につけ、少しだけ、濃いメイクを施される。
JK「ヒョンは、嫌じゃないんですか..?」
YG「何の話だ..?」
JK「何って、分かってますよね?アイツのことですよ..」
ああ、やっぱり。
思い返せば、俺はそれほど、嫌悪感を抱いた覚えはない。
そりゃ最初は驚いたりしたが、女だから、と媚びることもない。
それに、目立たない俺たちのグループに新たな差し色を、という点においては、ピッタリなのでは、とむしろ思ってきた。
..さっきよりも、唇が鼻につきそうだぞ。
JK「テヒョ二ヒョンは、悪い子じゃないって言うし、ジニヒョンも仲良しだし..」
YG「なんだ、嫉妬か?」
JK「違いますっ!」
なんだ、てっきり俺は嫉妬かと。
JK「今だってそうです、有る事無い事言われて、僕たちにだって、火の粉が飛んできます」
「飛んできたらどうしような?」
YG「それはもう仕方がないだろ...、..!?」
聞き慣れた別人の声に、後ろを振り向く。
そこにいたのは、パンプロデューサー..。
「ジョングガ、君の気持ちもよーく分かる。というよりも、その気持ちは全員の本心だと私は思っているよ」
だが、その気持ちがずっと表に出ているようでは、相手の他の面は見えてこない。
「一度でいい、その思いを少しだけ冷ましてみてくれ。そうすれば、その人の他の、良い面が見つけられる。」
じゃあこれは差し入れだ、と俺に大きな袋を渡す。
「いい刺激になっているようでよかったよ」
手を振って帰っていったパンプロデューサーの差し入れを覗く。
お、美味そうなチキンだ。
JK「...ヒョン、」
YG「んー?」
JK「僕って、まだ、子供ですか...?」
YG「そりゃ俺にしてみれば」
JK「もう少しオブラートに包んでくれたっていいじゃないですかっ」
YG「お前が聞いてきたんだろ」
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作者名:エヌ | 作成日時:2020年12月31日 16時