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よし、じゃあ早速今夜あの子に...なんて、そうそう上手く行くわけがなく。
どうしたものかと、頭を抱えていた。
ヌナがあれだけ言うのだ、いい子なことは分かる。
だけど、それとこれとは全く別問題で。
まだ、頭がついてきていないのが現実。
いや、違うな。
頭では、理解できてるのか。
だけど、自分の気持ちがついてきていないんだな。
TH「ヒョン、どうしたんですか」
同じ部屋のテヒョナが、腕を組んで悩む俺に声をかける。
その手には、コーラが2本。
HS「ヒョンにコーラ1本くれ」
TH「ダメですよ、これはAの分です」
HS「なんだよ、Aの分か..って、おい!?テヒョナ、今何て言った!?」
肩を掴んで、テヒョナを揺さぶる。
TH「ダメですって..」
HS「その後だよ!」
TH「これはAの分です..?」
それだよ!
お前、いつの間にあの子と仲良くなったんだ!?
TH「今日です」
今日だと!?
TH「撮影について行ったんです。その時話して、仲良くなりました」
なんてこった。
TH「もう帰ってきてるので、部屋に遊びに行こうかと..」
HS「行く、俺も行く」
不思議そうに首を傾げたテヒョナは、いいですよと快く許してくれた。
玄関に1番近い扉を、テヒョナが3回ノックする。
中から、どうぞ、の声が聞こえて、ドアノブを捻る。
テヒョナの後ろに俺がいたことは予想外だったらしい。
ぱっちりした目が、少しだけ、驚きを含んだ。
A「ごめんなさい、まだ散らかってて..」
TH「どこが?全然散らかってないよ〜」
本当に、どこが散らかっているのかが、俺にも理解できない。
ベッドに座るように促される。
その時に、チラリと見た左手。
ああ、やっぱり、ヌナの話は本当なんだと確信した。
デスクのスタンドライトを切って、クルリと椅子ごとこちらを向く。
何となくだけど、パンプロデューサーが、この子に声をかけたのかが、分かった気がした。
薄く微笑んだ彼女は、何故かこのタイミングで俺たち(正確には、俺だけなのかも)に、軽く会釈。
TH「ヒョンも来ちゃったけど、大丈夫だった..?」
A「全然、私は構いません」
こら、テヒョナ、それはどう言う意味だ。
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作者名:エヌ | 作成日時:2020年12月31日 16時