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1-SJ ページ1

目立たない。

今の僕たちは、まさにそんな状態だった。

ヒップホップグループとして、デビューはしたものの、まだ所属しているアイドルは僕たちだけ。

大手の事務所に完全に隠れてしまっていた。

そんな中飛び込んできた、思いもよらないニュース。


YG「..は?女?」


普段、口数の少ないユンギが、珍しく第一声を発する。


「そうだ..」


気まずそうに、頰をかくマネージャーのヒョン。


JK「ヒョン、正気ですか?」

「そう言われてもな..俺もついさっき、パンプロデューサーに聞いたんで..何が何だか..」


どうやら、ヒョンさえも、この状況を飲み込めていないらしい。

"お前らのグループに、新しいメンバーが加入する。女の子だ.."

さっきのマネヒョンの言葉が、グルグルと頭の中を巡る。

僕たちは男7人。

その中に女の子1人なんて、無茶だ。


一体プロデューサーは何を考えているのか。


NJ「いや、ヒョン、ちょっと待ってください..ここまで僕たちでやってきたのに、今更追加メンバーですか?しかも女の子だなんて..」

「俺も言ったよ..でも、もう決定事項なんだとよ..」


俺にはもうどうも出来ない、と降参のポーズ。

情報量が多すぎて、全くついていけない。

シン、と嫌な意味で静まり返る室内。

その静寂を破る、控えめなノック音。


「揃っているな..その様子だと、彼から、話は聞いたようだな?」


パンプロデューサーは、ヒョンを見る。


「君たちが聞いた通りだ..来月からから、新しいメンバーを追加する。..おいで」

HS「いや、パンプロデューサー..!」


ホソクの言葉を待つことなく、プロデューサーの後ろから姿を表した女の子。

長くて艶のある黒髪、眉が隠れるくらいに切りそろえられた前髪、丸くて大きな瞳、それを縁取る量の多い睫毛、高めの鼻と、形のいい唇。

そして何より、この世の女の子全てが羨むような長い脚と、引き締まった身体。


「ん、挨拶をしようか..」

A「...、一条、A、です..」


....え?

聞き慣れない名前に、彼女が韓国人ではないことを瞬時に悟る。


「彼女は日本人だ、グループにも華が出来たな..よろしく頼むぞ」


黒い、まるで宝石のような瞳が、ぐるりと僕たちを見て、下を向く。


NJ「待ってくださいパンプロデューサー..!僕たちの中に女の子なんて..!」

「必要ないか?」

ナムジュナの言葉を代弁したプロデューサー。

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作者名:エヌ | 作成日時:2020年12月31日 16時

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