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目立たない。
今の僕たちは、まさにそんな状態だった。
ヒップホップグループとして、デビューはしたものの、まだ所属しているアイドルは僕たちだけ。
大手の事務所に完全に隠れてしまっていた。
そんな中飛び込んできた、思いもよらないニュース。
YG「..は?女?」
普段、口数の少ないユンギが、珍しく第一声を発する。
「そうだ..」
気まずそうに、頰をかくマネージャーのヒョン。
JK「ヒョン、正気ですか?」
「そう言われてもな..俺もついさっき、パンプロデューサーに聞いたんで..何が何だか..」
どうやら、ヒョンさえも、この状況を飲み込めていないらしい。
"お前らのグループに、新しいメンバーが加入する。女の子だ.."
さっきのマネヒョンの言葉が、グルグルと頭の中を巡る。
僕たちは男7人。
その中に女の子1人なんて、無茶だ。
一体プロデューサーは何を考えているのか。
NJ「いや、ヒョン、ちょっと待ってください..ここまで僕たちでやってきたのに、今更追加メンバーですか?しかも女の子だなんて..」
「俺も言ったよ..でも、もう決定事項なんだとよ..」
俺にはもうどうも出来ない、と降参のポーズ。
情報量が多すぎて、全くついていけない。
シン、と嫌な意味で静まり返る室内。
その静寂を破る、控えめなノック音。
「揃っているな..その様子だと、彼から、話は聞いたようだな?」
パンプロデューサーは、ヒョンを見る。
「君たちが聞いた通りだ..来月からから、新しいメンバーを追加する。..おいで」
HS「いや、パンプロデューサー..!」
ホソクの言葉を待つことなく、プロデューサーの後ろから姿を表した女の子。
長くて艶のある黒髪、眉が隠れるくらいに切りそろえられた前髪、丸くて大きな瞳、それを縁取る量の多い睫毛、高めの鼻と、形のいい唇。
そして何より、この世の女の子全てが羨むような長い脚と、引き締まった身体。
「ん、挨拶をしようか..」
A「...、一条、A、です..」
....え?
聞き慣れない名前に、彼女が韓国人ではないことを瞬時に悟る。
「彼女は日本人だ、グループにも華が出来たな..よろしく頼むぞ」
黒い、まるで宝石のような瞳が、ぐるりと僕たちを見て、下を向く。
NJ「待ってくださいパンプロデューサー..!僕たちの中に女の子なんて..!」
「必要ないか?」
ナムジュナの言葉を代弁したプロデューサー。
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作者名:エヌ | 作成日時:2020年12月31日 16時