俺のクソ兄貴【黄金の風】【男主】

にじゅう ページ23

…昨日はちょっと疲れたな。
兄貴のこと…もっとちゃんと見ておけば良かったのか？
アバッキオ｢…A。｣
『うわぁああっ!?ア、アバッキオさんか…びっくりした…』
アバッキオ｢どうした、思い詰めたような顔して。｣
アバッキオさんは俺に身長を合わせるようにしゃがんだ
『あ、えっと…』
俺は兄貴のことを話そうか迷った
『…なんでもないです』
兄貴がああなってしまったのは、きっと俺が原因だ
やっぱりこれは自分で解決しよう。
アバッキオ｢そうか。でも、あんまり無理はするなよ。｣
『はいっ、ありがとうございます！』
頭を撫でてくれるアバッキオさんの手は暖かくて、笑顔でそう返した。
…そういえば、アバッキオさんって…
『…あの、アバッキオさん。話は変わるんですけど、唇のそれって口紅ですか？』
アバッキオ｢あぁ、そうだぜ｣
アバッキオさんってカッコイイよなァ…口紅も理由の１つなのかなァ…
アバッキオ｢お前も、つけてみるか？｣
『エッ、いいんですか!?』
アバッキオ｢勿論｣
俺もアバッキオさんみたいにカッコよくなれるかなぁ…
アバッキオ「ほらよ」
『む』
アバッキオさんはいつの間にか指につけていた口紅を俺の唇に塗った
アバッキオ「…お前、こうして見ると整った顔してんな。」
塗り終わったのか、アバッキオさんは指を止めてまじまじと俺の顔を見つめた
そのまま数秒時か流れた
『あの、アバッキオさん…？』
アバッキオ「…ふっ、やっぱりお前にゃあこれは似合わねぇよ。」
微笑んだかと思えばら今度はぐしぐしと少し乱暴に指で唇を拭った
『んわっ…』
アバッキオ「お前、色々と気をつけろよ。」
それだけ言うと、アバッキオさんはどこかへ行ってしまった
それにしても…
微笑んだ時の顔、かっこよかったっ…！
あれ、何だか顔が熱いや。
両手で頬を覆って、俺は暫くその場に立ち尽くしていた

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