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2章 ページ5

数日後のことでした。
「お前のせいであたしは苦しめられてきた!全部お前のせいだ!本当はお前なんて産みたくなかったのに!」
「…なんで、そんなこと言うの?勝手に産んだのはそっちでしょ?」
「はぁ!?うるさいうるさいうるさいうるさい!!黙れ!!!無能で足手まといのくせに好き勝手言うんじゃねーよこのクソガキ!!だからお前なんて本当に消えてほしいくらい大嫌いなんだよ!!!」
「…はは、あははは…本当にお母さんは…そこまで言うくらい私のことを憎んでいるのか…はははは…はっ!ゆ、夢?」
リンは悪夢を見て目を覚ましました。呼吸が荒くなり、汗が滝のように流れています。
「…あの時の夢か…少し散歩に行くか。多少は気分も晴れると思うし」
リンはベッドから起き上がり、外に出ました。彼女は今、森に元々建ててあった小さな家に住み着いているのです。

しばらく歩いても、リンの気分が晴れることはありませんでした。やがてリンは、こんなことを考えるようになりました。
「…私って、森のみんなに迷惑かけてるのかな?もしそうだとしたら、本当に私はここにいていいのだろうか…?」
リンは森の動物たちに優しく接してもらっているとはいえ、やはり人間です。彼らの生活に支障をきたしている可能性は十分にあるでしょう。リンはこのまま自分が森にいることで、彼らを傷つけてしまうのではないかと考えました。

「あら、リンちゃんじゃない」
「リン、散歩かー?」
「おはよう、リンちゃん」
「…あ、ウサギさんにリスさんとキツネさんか。おはよう」
リンが歩いていると、ウサギとリスとキツネが声をかけてきました。彼女にとって、動物たちは大切な友達です。だからこそ、これ以上自分のわがままで彼らを困らせてはいけないと考えました。

「…ねぇ、私って邪魔なのかな?」
「え?」
突然出たリンの一言に、ウサギたちは目を点にしました。
「いきなりどうしたの?」
「だって、私は人間。本来森で暮らしている存在じゃない。だから、私がいるだけでみんなの生活を乱してしまうんじゃないかと思って…私…みんなの足手まといになって迷惑をかけてるんじゃないかって…」
リンの目からは涙が溢れていました。彼女はただ、ずっと不安だったのです。自分は本当にここにいていいのかという疑問を心の奥に抱えながらも、森の動物たちと接していました。しかしその想いは今朝の悪夢が引き金になって、ついに限界を迎えてしまったのです。

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設定タグ:AIのべりすと , 女主 , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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フェリシア(プロフ) - よるいろさん» いえいえ!こちらこそ読んでくださってありがとうございました! (7月11日 22時) (レス) id: a635426397 (このIDを非表示/違反報告)
よるいろ(プロフ) - イベント参加ありがとうございます。評価・コメント失礼します。動物たちのほのぼした話かなと思っていましたが、それだけではなくとても面白かったです。土曜日の更新も楽しみにしています。素敵な作品をありがとうございました!! (7月11日 22時) (レス) @page14 id: 76109380ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フェリシア | 作成日時:2023年7月8日 19時

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