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警察官と警察犬が入ってきました。
「君、大丈夫か!?」
「怪我はないかい!?」
「…い、嫌だ嫌だ戻りたくない!助けてーっ!!」
警察官たちを見て、リンはパニックに陥りました。
「落ち着くんだ!」
「やめて離して!!もうあんな場所に戻るくらいならずっとここにいたい!!!」
「大丈夫だよ。君は私たちが保護するからね」
「嫌っ!お願いみんな助け…あれ?」
「みんな?何のことだい?君はずっと1人じゃないか」
「え…?」
警察官の1人にそう言われて一瞬だけ目を点にしたものの、リンはすぐ我に返りました。
「あ…」
リンは醒めてしまったのです。そう、森の動物たちは精神的に追い詰められたリンが寂しさや苦しみを埋めるために創り出したイマジナリーフレンドであり、本来彼女はずっと孤独でした。そしてリンがいない場面での動物たちのやり取りも、本当はたくさんの仲間が実際にいると自己暗示をかけるために用意された物語なのでした。
そもそも、よく考えればおかしいことだらけだったのです。なぜリンは動物たちと言葉でコミュニケーションを交わせていたのでしょうか?なぜ料理やお菓子作りなどといった、人間にしかできないようなことをこなせる動物たちがいたのでしょうか?もしこれが全て虚構なのだとしたら、確かに納得できるでしょう。なぜなら森の動物たちはリンの脳が見せていた単なる幻覚であり、妄想なのだから。
「さて、行こうか」
「…」
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フェリシア(プロフ) - よるいろさん» いえいえ!こちらこそ読んでくださってありがとうございました! (7月11日 22時) (レス) id: a635426397 (このIDを非表示/違反報告)
よるいろ(プロフ) - イベント参加ありがとうございます。評価・コメント失礼します。動物たちのほのぼした話かなと思っていましたが、それだけではなくとても面白かったです。土曜日の更新も楽しみにしています。素敵な作品をありがとうございました!! (7月11日 22時) (レス) @page14 id: 76109380ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェリシア | 作成日時:2023年7月8日 19時