青い青い朝に ページ6
寮から学校まで、３人で歩く。
たぶん、Aが怪我してから初めてじゃないかな。
今日から祐希は世界ユース選手権に出るためにメキシコへ。
今頃はまだ新幹線？それとももう空港だろうか。
浮かない表情のAを覗き込むと、目が合って、彼女は取り繕うように笑った。
A、なんかあった？と聞けば、絵に描いたようにギクリとする。
「な、何もない…」
「えー？本当に？」
「どう見たって、なんかあった反応だろ」
ふたりの視線に挟まれると、俺と同じくらいの身長のはずのAは所在無さげに身を縮めて、石川くん、なんか変じゃない？最近、と言った。
思わず顔を見合わせた俺らに、なんか知ってる？と訝しげに問う。
お前が言えよ、いや、お前が言えって、と目線だけで会話をしながら、仕方なく俺が口を割った。
「俺ら、さ、実は知ってたんだよね、Aが本当は押されて落ちたって」
「うちのセッターの彼女、女バスでしょ？Aが落ちた時に近くにいたらしくて…それで…」
「でも、Aは何も言わないし、大事にしない方がいいかなって」
「…そう、だったんだ。でも、それと石川くんは関係…」
「無くないよ。その子、祐希の事が好きだったんだって」
実はミキが犯人とわかってから、１度だけ彼女にこの件について話を振ってみた。
すると、みるみる青ざめてしまいには泣き出した。
祐希の事が好きだっただけなのに、と。
きっと彼女も行き場のない罪悪感に押しつぶされそうで、でも、面と向かって謝る勇気もなかったんだろう。
「祐希、それ聞いて、Aが怪我したことは、俺のせいなのかもって」
「そんなことない！」
「俺らもそう言ったんだけど、やっぱ落ち込んじゃってさ」
「Aさんを傷付けた原因は自分なのに、平気な顔してそばにいれないって」
「石川くん…、だから変によそよそしかったんだ…」
Aのうっすら目に浮かんだ涙はこぼれ落ちること無く消えた。
彼女が大きく息を吸って吐いて、真っ青な空を見上げたから。
本当に強いな、と思った。
祐希の気持ち、少しわかった気がする。
Aは見た目の美しさだけじゃ無くて、凛とした強さも人を惹きつける魅力のひとつなんだ。
彼女より背の高いチームメイトが意地悪な質問をぶつけた。
「このままでいい？祐希、きっとAからだんだん離れていくつもりだよ」
それでいいの？と聞かれた彼女は、良くないよ、嫌だよ、とポツリ呟いた。
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ユイ(プロフ) - 初めまして、読んでいくうちに続きが読みたくなりました。新しいHPを教えてください。 (10月19日 21時) (
レス) id: 30678c49ef (このIDを非表示/違反報告)
Yuri(プロフ) - はじめまして。以前から読ませてもらって、また最初から読み直しました。新しいホームページは消してしまったのでしょうか？？ (2018年6月30日 20時) (レス) id: 258a85c425 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 初めてコメントします。この作品ずっと読んでます。宜しければ新しいHPを教えてください（ ; ; ） (2017年6月20日 9時) (レス) id: 43856cab70 (このIDを非表示/違反報告)
yukim8216(プロフ) - こんにちは。新しいHP教えて頂けますでしょうか？『ナノ』でそこからトップページからログインしてからどうすれば見れるのか分からなくて。前はそのHPで見てのてすが。ごんなさい、教えて頂けますでしょうか (2017年5月6日 7時) (レス) id: 343ef2b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
RON(プロフ) - nattuさん» ありがとうございます。新しいＨＰで加筆修正したお話をアップしています。ぜひお越しください^_^ (2017年3月10日 14時) (レス) id: bdef7d3ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RON | 作成日時：2016年7月27日 22時
