協力者からのサプライズ爆弾 ページ39
左手でお皿を持って、ドア付近に立てかけてあった杖を手に、Aが部屋を出て行った。
しんと静かになった部屋はさっぱりとしたシンプルな部屋で、ああ、なんだか彼女らしいな、と思う。
壁に数枚貼ってある写真を見たくて、誰に見られている訳でもないのにキョロキョロしながらそーっと立ち上がって、静かに二歩進み出た。
そこにはAが同級生や家族、寮の友人達と写っている写真があって、よく見ると柳田さんとその家族らしき人たちと写っているものも。
自分のいないところで笑っているAの姿はそりゃもちろん可愛いけど、なんか、少し…ヤキモチというか…。
まあ、写真なんて一緒に撮った事ないから仕方ないんだけども。
視線を逸らすと備え付けらしき棚の上に、ちょこんと鎮座している割れた琉球ガラスの髪留めにそっと触れる。
まだ大切に持っていてくれたんだ…。
ガチャっと開いたドアの音に、やましい事は何もないのにびくりと背が震えた。
入ってきたAが俺の手元を見て、ふわっと笑った。
「A、これ、まだ持ってたんだ…」
「もちろん。大事なものだから」
これ貰った時、本当に嬉しかった、と思い出すように視線を伏せてまた笑って、細い指で俺の手に触れた。
その指に自分の指を絡めて、壊してしまわないように柔らかにAの身体を引き寄せた。
A、と呼ぶと見上げるように視線を上げた彼女の瞳、その中に自分が映っていることが嬉しくて、そっと唇を…
「あ！」
「え！？」
「これ、忘れてた！あのふたりから、誕生日プレゼントだって」
すぐ使えるやつだって言ってたよ、と甘い空気を呆気なく壊したAが小さな四角い包みをくれた。
あいつら、サプライズの手伝いをしてくれたうえにプレゼントまで…ありがとう。
簡単な包装を破くと、中には…"極薄"と大きく書かれた…ちょ、これって！？
「何が入ってたの？」
「は、いや、だめ！」
手元を覗き込んだAから見えないようにそれを高く掲げた。
えー？なに？と面白そうに彼女は手を伸ばすけど、ダメだって、と慌てて避けたけど、その拍子に箱の中身がバラバラと床に散らばった。
「あ、やべ」
「え、これ…」
そう、所謂コ◯ドーム。
実に神妙な空気がふたりを包んで、"０.０２ミリ！"とラベルの付いた白い箱が、力を失った手から滑って、ポコン、と間抜けな音と一緒に床に落ちた。
今日一番のサプライズだよ！と思いながら、真っ赤な顔で俯くAをそのままに、それを拾い始めた。
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ユイ(プロフ) - 初めまして、読んでいくうちに続きが読みたくなりました。新しいHPを教えてください。 (10月19日 21時) (
レス) id: 30678c49ef (このIDを非表示/違反報告)
Yuri(プロフ) - はじめまして。以前から読ませてもらって、また最初から読み直しました。新しいホームページは消してしまったのでしょうか？？ (2018年6月30日 20時) (レス) id: 258a85c425 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 初めてコメントします。この作品ずっと読んでます。宜しければ新しいHPを教えてください（ ; ; ） (2017年6月20日 9時) (レス) id: 43856cab70 (このIDを非表示/違反報告)
yukim8216(プロフ) - こんにちは。新しいHP教えて頂けますでしょうか？『ナノ』でそこからトップページからログインしてからどうすれば見れるのか分からなくて。前はそのHPで見てのてすが。ごんなさい、教えて頂けますでしょうか (2017年5月6日 7時) (レス) id: 343ef2b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
RON(プロフ) - nattuさん» ありがとうございます。新しいＨＰで加筆修正したお話をアップしています。ぜひお越しください^_^ (2017年3月10日 14時) (レス) id: bdef7d3ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RON | 作成日時：2016年7月27日 22時
