番外編 拾壱ノ舞 涙 その弐 ページ46
♪
胡蝶は気付いてなかったのかも知れないが、教室の扉を開けたその時から、彼女は笑顔を作れていなかった。
「我慢しないでよ…そんなにウチらは頼りにならない？」
「違う！そうじゃない！！」
胡蝶の言葉遣いが崩れた所を初めて見た耳郎達は、驚くと同時に感情を露にしたその姿を見て少し安心した。
「だったら何で……あの時だってそうだよ！ウチらがどれだけ心配したか分かってんの！？」
「ちょ！耳郎！落ち着けって！！今それは関係無いだろ！」
抱き締めていた胡蝶を離して怒鳴り始めた耳郎を、上鳴が宥めようとするが耳郎の勢いは止まらない。
「ウチが！百が！梅雨ちゃんが！皆が！！どんだけ心配したか…分かってよ…！」
耳郎の叫びに全員が沈黙する。
「分かってます」
「分かってるんなら！」
「でも！」
「「ッ！！」」
胡蝶が声を荒げたことにより、周囲から音が消え、静かになる。
「これは私の問題なんです。
誰かに頼ったら…ダメなんです。私が独りで何とかしないと」
拳を固く握り締め、何かに耐えるように震えだした胡蝶を、耳郎が再度抱き締めた。
「…ダメな訳ないじゃん。
いいんだよ。周りを頼っても。いいに決まってんじゃん」
「……！」
泣かないように唇を噛む胡蝶に、蛙吹が追い討ちをかける。
「泣きたい時は泣いてもいいのよ」
その瞬間、胡蝶の両目からボロボロと大粒の涙が流れ出した。
「……あの瞬間…感情が抑え切れなかった…
怒りや憎しみで何も見えなくなって…気付いたら斬り掛かってた…悪いのはあの人達じゃないって分かっていたのに…」
「「………」」
「それに…１度諦めたんです…死を…受け入れた…
ヒーローを目指しているのに…ヴィランに罪を…
私は…何も変わってなかった…前と同じ…姉さんとの約束も守れない…大切な人も守れない…
…私は…弱い……」
胡蝶が抱えているものを垣間見た耳郎は、自分が泣いていることに気が付いた。いや、耳郎だけではない。女子全員が耳郎と同じように泣いていたのだ。
「………姉さん…」
泣き疲れたのか、耳郎の腕の中で寝息を立てている胡蝶。彼女の泣いている姿を見た耳郎達は、強くなろうと心に決めた。
いつか、彼女の隣に立てるように。
雄英コソコソ噂話
「てか寝顔かわいいな…」
「写真とろーよ！」
「私も欲しい！」
「大丈夫！しのぶを愛でようグループに送るから！」
そのグループの存在を胡蝶は知らない。
番外編 拾弐ノ舞 継子誕生？ その壱→←番外編 拾ノ舞 涙 その壱
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ユウ(プロフ) - 火花(漫画家やってます)さん» 応援ありがとうございます！！これからも頑張ります！！！ (2020年7月20日 11時) (
レス) id: 5e0f53d3ed (このIDを非表示/違反報告)
火花(漫画家やってます) - 頑張ってください!! (2020年7月19日 17時) (レス) id: 6063c97ce8 (このIDを非表示/違反報告)
火花(漫画家やってます) - 尊い (2020年7月19日 17時) (レス) id: 6063c97ce8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 天ゆうさん» ぎゆしのかぁ…実は何しのになるかはまだハッキリとしてないんですよね。それは友人に決めてもらうつもりなんですけど…今、ぎゆしのと童しのが全面戦争を繰り広げてるらしいです。自分も早く林間合宿行きたいんですけど…課題が！減らないんです！！…頑張ります！ (2020年6月15日 5時) (レス) id: 5e0f53d3ed (このIDを非表示/違反報告)
天ゆう - 冨岡さんをぎゆしのみたいに出して欲しいぃぃ！！！更新ありがとうございます！！毎話楽しみに見ています。早く林間合宿編みたいなぁなんて、、、無理せず頑張ってくださいね！！ (2020年6月14日 15時) (レス) id: 09a7347468 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ | 作成日時：2020年3月10日 9時
