伍拾肆ノ舞 暴走 ページ16
♪
「じゃあ行こうか」
「どうぞ」
黒霧の開いたワープゲートに死柄木が足を踏み入れようとしたその時、彼等の前に目的の少女が現れた。
「どこに行くんですか？」
「なんだそっちから来たのか」
軽く挨拶をする胡蝶だが、内心とても焦っていた。そして、それは黒霧も同じだった。
(相澤先生……息はありますが危険ですね。早く処置をしないと)
(無傷…息１つ切れていない。倒壊ゾーンに送っていたのは１００人。それも今回集めた中でトップクラスの強さを持つ１００人だったはず。まさかこれ程とは……)
胡蝶は一瞬だけ相澤に視線を向けると、敵の注意を引く為に口を開いた。
「そこの黒霧さんにも言いましたが、私はヴィランにはなりませんよ。どうしても私と仲良くしたいのなら、そちらが自首して下さい」
(黒霧さんは私を警戒しているし、死柄木さんの目的は私。相澤先生と緑谷さん達には興味がない。問題はあの化け物ですね)
胡蝶は相澤と緑谷達を助ける為に、死柄木達が隙を見せる瞬間を待っていた。
「嫌だよ。黒霧」
黒霧がモヤを伸ばして胡蝶を呑み込もうとするが、いくらワープと言っても胡蝶のスピードには追い付かない。
「早い！？」
黒霧の予想を遥かに越えたその速度は、彼等に強い動揺を与えた。
(今！！)
胡蝶はモヤを躱すとそのまま相澤の下へ移動し、彼を抱えて緑谷達の近くへと移動した。
「胡蝶さん！？」
「早ぇーー！？」
「しのぶちゃん、相澤先生は無事なの？」
「息はありますが非常に危険な状態です」
胡蝶は蛙吹に数種類の薬を渡した。
「これは鎮痛薬。こっちは止血剤です。相澤先生に飲まして下さい」
「危ない！！！」
緑谷が叫んだ瞬間に胡蝶はその場を飛び退いた。先程まで胡蝶がいた場所は、太く巨大な黒い腕によって大きく抉られていた。
「おい！脳無！！殺すなって言ったろ！生捕りだ！」
死柄木が怒鳴るが、脳無は聞く耳を持たずに胡蝶への攻撃を続けている。
脳無は感じ取ったのだ。
自分の本能が、この女は危険だ！殺せ！！殺せ！！！と叫んでいるのを。
「胡蝶さん！」
「動かないで！！！」
緑谷は胡蝶を助けようとしていたが、胡蝶が叫んだことによってその動きを止めた。
「っ！脳無！！やめろ！！！」
「危険です！死柄木弔！！離れて！」
死柄木や黒霧もその場を動けないでいた。彼等であっても、暴走状態の脳無を止めることは不可能なのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユウ(プロフ) - 火花(漫画家やってます)さん» 応援ありがとうございます！！これからも頑張ります！！！ (2020年7月20日 11時) (
レス) id: 5e0f53d3ed (このIDを非表示/違反報告)
火花(漫画家やってます) - 頑張ってください!! (2020年7月19日 17時) (レス) id: 6063c97ce8 (このIDを非表示/違反報告)
火花(漫画家やってます) - 尊い (2020年7月19日 17時) (レス) id: 6063c97ce8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 天ゆうさん» ぎゆしのかぁ…実は何しのになるかはまだハッキリとしてないんですよね。それは友人に決めてもらうつもりなんですけど…今、ぎゆしのと童しのが全面戦争を繰り広げてるらしいです。自分も早く林間合宿行きたいんですけど…課題が！減らないんです！！…頑張ります！ (2020年6月15日 5時) (レス) id: 5e0f53d3ed (このIDを非表示/違反報告)
天ゆう - 冨岡さんをぎゆしのみたいに出して欲しいぃぃ！！！更新ありがとうございます！！毎話楽しみに見ています。早く林間合宿編みたいなぁなんて、、、無理せず頑張ってくださいね！！ (2020年6月14日 15時) (レス) id: 09a7347468 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユウ | 作成日時：2020年3月10日 9時
