日常８ーー新婚 ページ45
灰白の大蛇団には食事専門の団員がいる。
いつもその団員が食事を作ってくれるのだが、
今日は体調不良でお休みらしい。
『んー、なら私が作ろうかな…』
暇だから、と軽い気持ちで言った言葉に団員達は驚いた。
｢だ、団長が?!貴族のお嬢様なのに?!｣
｢団長の手作り？
今日の任務は絶対に生きて帰らなきゃ！｣
｢くそっ！なんでこんな時に限って国外行きなんだよ！｣
夕方になったので、調理を始めた。
寒いのでシチューにしようと思う。
エプロンを着て、髪を後ろで縛る。リズム良く野菜を切っていると部屋に誰か入ってきた。
敵意はない気配なのでキッチンで待っていると、
魔法帝が現れた。
｢やっほー！
って……た、ただいま？｣
『お、おかえりなさい？
どうしたんですか？いきなり来て…。』
謎の言動に対する魔法帝の言い分はこうだった。
・フィグナがご飯を作るとの情報を入手し、
ご馳走になろうと団を訪れた。
・いつもと違う家庭的な姿に驚いた。
・新婚夫婦だと錯覚し、｢ただいま｣が口から出た。
『…疲れてるんですか？』
錯覚をしている魔法帝を不憫とさえ思った。
疲れてるなら休憩しないと。
『良かったらシチュー食べますか？
それ食べたら帰りましょうね。
王宮まで送りますから。』
｢本当かい?!もちろん頂くよ！
楽しみだなーフィグナの手作り料理！｣
正直、味は普通だった。
団員と魔法帝は美味しいと言っていたが、改めて食事係のありがたみを感じた。
｢やっぱりまだ外は寒いねぇ。
せっかく温まった体が冷えちゃうよ…｣
『そうですね。フエゴレオンさんならこの寒さも気にならないんでしょうか？』
｢…ねえ、今度僕の家にもおいで。
フィグナに料理を振る舞いたいな。あまり自信はないのだけど。｣
突然の提案に驚いたが、同時に嬉しくもあった。
味はどうであれ、きっと楽しいと思ったから。
｢フエゴレオンにも負けない熱い料理を出すからね！…待ってるよ。｣
『はい、楽しみにしてます。』
その日の翌日、魔法帝は蔵書から料理本を探すのに必死だった。
彼の料理下手がばれるのは時間の問題。
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のんた - 設定から…haetになってるよ。hateだよ。 (2020年9月16日 3時) (
レス) id: 41c2d1953f (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - グリモワールは15歳になったら貰えるんですよ？ (2020年6月30日 22時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：the cbas | 作成日時：2020年4月30日 1時
