日常5ーー時刻 ページ35
今日は私の誕生日である。
とは言ってもチョコもお酒も買えなかったので自室で貯めてた本を読んだり剣の練習をしてたら時間が経ってしまった。 夜がやって来る。
駝鳥のような足があるいて行く夕暮れがさびしくないか
のっそりとあがりこんで来る夜がいやらしくないか
私は今が苦手だ。
記憶にある最期の母と父はこの時刻にいた。
潮にひきのこされるようにひとり休息へのこされる
ようだった。
屋敷の、奥の部屋の、重なった冷たい影と、手紙
誕生日のこの時刻はいつも思考が沈んでゆく。
母は私を愛しながらも命を絶った。
父は私ひとりを残して命を絶った。
そんな事を考えると、自分の存在が気になり誕生日を素直に祝えない。
こんなドロドロした気持ちになるなら、
『誕生日なんて来なくていい。』
ヤミ「それじゃプレゼントは俺が食べるとするかー。」
?ドアの向こう、この低めの声、?
ウィリアム「こんばんは。あがらせて貰ったよ。」
フエゴ「顔色が悪いな。大丈夫か?」
ノゼル「…昨日は迷惑をかけたな。」
リル「あふふ、何があったんですかー?」
シャーロット「ごちゃごちゃ言ってないで早く中に入れ。」
ジャック「後ろ詰まってんぞー。」
…部屋が狭い。団長全員が私の前に並んでいる。
出てない書類とかあったか?
全員「…フィグナ、誕生日おめでとう!」
『は?』
つい聞き返した。
ジャック「は?じゃねーよお前!わざわざ俺様が祝いに来てやったのになんだよ、は?って!」
『いや。仕事関係かと、しかも全員で…』
フエゴ「あまり時間は無いが、プレゼントは皆で渡した方がいいと思ってな。」
プレゼント…わざわざ?私に?
ヤミ「俺忙しーからぱぱっと渡して帰るぜ、ほら。」
『ありがとうございます…?』
ノゼル「残念だが、私も任務がある。今度感想を聞かせてもらう。…改めて、誕生日おめでとう。」
皆次々とプレゼントを渡して帰って行った。
シャーロット「フィグナ、私はフィグナが生まれてきてくれて嬉しい。王族の事は分からんが、子を愛さない親など親では無い。
来年もまた、祝いにくる。これは全員の約束だ。」
『約束…』
プレゼントの包みを剥がす。
チョコレート、赤ワイン、白ワイン、香水、変な仮面、枕、砥石、絵の具、宝石…
考えてた事なんて消えてしまった。
氷が溶けるように、心が温かい。
『ありがとう。』
約束を信じながら 信じた
約束のとおりになることが
いたましくないか
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のんた - 設定から…haetになってるよ。hateだよ。 (2020年9月16日 3時) (レス) id: 41c2d1953f (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - グリモワールは15歳になったら貰えるんですよ? (2020年6月30日 22時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:the cbas | 作成日時:2020年4月30日 1時