非日常６ーー昇華 ページ31
手に入れるべき情報は手に入った。
国に帰り報告をしたら任務は完了。
友人のように思っていたがこれ以上の介入は避けないと。
彼女と次会うのは戦場だ。
…そう思っていた。
国境近くの暗く深い森の中を自身の魔法で移動していく。
追っ手を気にしながらも相当の速さで進んでいた。
のに。
F｢待って！待ってくださいフィグナ!!｣
声をかけてきたのは地を駆ける彼女、
化け物と呼ばれるだけはある力を持っている。
『何故ここに…？
出てきたのか!?まだ未完成だから外に出たら死ぬと言われただろう!?』
魔法を解いて立ち止まると彼女はうずくまった。
身体の先の方が白く光っている。
F｢あのままで居るくらいなら、外に出て自分の意思で死にたくて…
聞きたいことは沢山あります。フィグナの事、私は何も知らなかったんですね…？｣
胸が痛んだ。スパイだと分からないように自分の事は話さないように誤魔化してきた。
『すまない、今からでも話したいが…
時間は無さそうだな？』
白い光は解け始め、分解されるように消えていく。
F｢…手を握って、名を呼んでくれませんか？
1回も呼んで下さらないでしょう？｣
彼女の冷たい手を握り、温もりを移す。
『MsＦ…これしか知らない。この名は兵器の名だから呼びたくなかったんだ。』
F｢なら、新しく付けてくれませんか？この名前私はあまり好きでは無いんです。』
私にそんな能はないが…F、
『…フラン。Fから取った。何処かの国の通貨単位だ。
世の基礎で目には見えない。万人か知る訳でもない。だが、特定の人々だけには知られている、大切にされている。』
F｢フラン…素敵です。
フィグナ、ありがとうございました。
あなたに会えて良かった。
また、違う世界で会いましょう。そこなら、今話したいことも聞きたいことも何処かの国って所に行く事も…願いが叶うかもしれませんしね。｣
『あぁ、いつかまた、会おうフラン。
国や存在、壁の無い何処かで…』
握っている手まで光が届いた。
感触が無くなり、存在が消える。
追っ手の声が聞こえたので逃走を再開する。
この最期は報告書には書かないでおこう。
少しでも、彼女の尊厳を保てれば、
こんな仕事だが、自分の信じられる事をしていたい。
紺色の森に朝日が射し込む。
少し振り返り、また、前を見る。
金色の大地に強く、深く足跡が付いていた。
もう振り返らないが、今見た景色を私が忘れることは決して無いだろう。
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のんた - 設定から…haetになってるよ。hateだよ。 (2020年9月16日 3時) (
レス) id: 41c2d1953f (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - グリモワールは15歳になったら貰えるんですよ？ (2020年6月30日 22時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：the cbas | 作成日時：2020年4月30日 1時
