双子の私は生きられた。【HxH】

嘘か真か ページ34

A「…でもさ、腹立ったのは私も同じなんだよね。普通に痛いんですけど。」



彼女は鳩尾を押さえ、眉間にシワを寄せていた。



そうだろうな、鳩尾殴られるのは結構辛い。

普通なら、な。



痛みや毒に耐性をつけるための拷問訓練は小さい頃から受けている。

Aがあの程度のパンチを喰らってそこまで狼狽る訳がない。





これは明らかな時間稼ぎだ。





当然セキも分かっていた。

彼は懐中時計の面を俺たちに向けた。



セ「後30分しかないのに、そんな余裕こいて大丈夫なのかな〜？

君の念の殺傷能力がどんなに高くても、俺の再生能力には追いつけないよ〜。」



A「そうだろうね。でも大丈夫、私の能力は他人にダメージを与えられないから。



体へのダメージは、ね。


Illusion of Lies
【夢幻】。」



今の時間稼ぎは発動条件を整えるためだったのか。



何も変化がねーみたいだけど…



しかし、セキはAを呆然と見つめていた。

いや…




正確には、目の前にいる存在しない何かを見ていた。



セ「何、で…」



A「……」



能力を使った当の本人も、辛そうに顔を歪めていた。

何かを悟り、痛みを共感しているかのような顔だ。



理由が分からなかった。

アイツらに見えているものが、俺には見えていない。



Lies Become the Truth
A「【実現】。」



俺の混乱もすぐに解けた。

アイツが言った通り、二つ目の能力を発動した途端彼らが愕然としている理由が分かった。





同じ身長に同じ髪型。

しかしアイツとは違って、覇者の風格を纏っている。

セキと瓜二つの男が目の前に立っていた。





セ「…ルイ…？」



セキが一歩、自身の片割れに歩み寄った。

その瞬間、一切の迷いの無い無慈悲な手がセキの心臓を貫いた。

幻覚→←！能力！

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本

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キキョウ

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