双子の私は生きられた。【HxH】

魂 ページ11

シ「フッ… そうかもな。」



お父さんは微笑を口元に浮かべていた。



何で…



何で笑ってんの？



守り方は一つじゃない？



守る…



守る？



貴方「…わけ分かんないよ………」

シ「今分かんなくとも、いつか理解できるさ。」



遠回しに何を言ってんの…



何を私にそんなに伝えたいんだよ…！！



しかし、私が新たに質問を聞けるより先にお父さんが口を開いた。



シ「今日はゆっくり休んでおけ。」



話はそれだけで終わってしまった。



お父さんとお母さんからは他に何も無く、部屋は再び沈黙で包まれる。



私は無言で立ち上がり、お父さんとお母さんを凝視してから部屋を出た。





…何だったんだ、今の話は。



結局私は何一つわからなかった。

唯一お父さんが言った事…



「守り方は決して一つだけじゃない。」



私を殺すことが、私を守ることに匹敵する…？

そんなわけがない。

矛盾してるよ、それ。
守るために殺したら、結局守れなかったに等しいじゃん。



絶対頭狂ってるよ、この家族。



貴方「はぁ…」



石で作られた壁にもたれかかり、盛大にため息をつく。



？「何そんな憂鬱な顔してんだよ。」



ん？
この声…



見上げると、そこには盛大に太くなってしまった兄、ミルキの姿があった。



ミ「よっ、おかえり。」

貴方「ただいま。」



ミル兄の手には巨大なポテチな袋があった。
体に超悪そう…



貴方「…なんか、前より大きくなったね。腹が。」

ミ「言わなくていーよ！はぁ、せっかくわざわざ部屋から出てきてやったのにこの態度かよ…」

貴方「ごめん…」



ミル兄の表情が急に真剣になった。



ミ「…Aさあ、今ママ達と喋ってただろ？」

貴方「うん、それが何？」

ミ「何言われたか知らねーけどさ、あんまり気にすんなよ。」



いや大いに気にするよ、あの話の内容…



ミ「んなことより、◯魂の続き見ようぜ！どうせまだ見てねーだろ？」

貴方「うん。」

ミ「最新の話が出てきたからさ。」

貴方「……うん。」



これはミル兄なりに私のことを元気づけてくれてるのかな…？



◯魂ねー…
そういえば全然見てなかったや。
色々起こって存在すら忘れちゃったし。



『守り方は決して一つだけじゃない。』



この言葉の真意…

今の私が考えても納得の行く結論にはどうせたどり着かない。





今だけは、楽になろう。





苦しみとまた向き合わなくちゃいけないその時まで、少しは楽しもうかな。

XVI: 2日後→←狂う歯車

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