Blue Eyes【涼野風介】 ページ11
「スコッチ、ソーダ割りで」
「私は……チェリーブロッサムを」
落ち着いたクラシック・ミュージックの流れるラウンジで、並んで、ただ黙ったまま座る二人の男女。
黒いスーツにハットを目深に被った男性がラウンジの端でふかす煙草の煙が、鼻を僅かにくすぐる。
女の方は、クラシカルな調度品の類に目を細めた。
「こういう場所は初めてです」
「やけに慣れてるように見えたが」
「……そうでしょうか。
風介さんは、よく来るんですか」
「まあ……それなりにな」
風介もまた、浅く溜息をつくと、どこか遠くを見るような目つきになる。
その左手のしなやかな指は、自らの頬を滑るように撫で続けた。
「この歳で、こんな素敵なところに来るなんて……。しかも風介さんと一緒なんて。
ちょっと不思議です」
「私は、Aなら、この店の良さが理解できると思った。実際、Aはこの店にそぐわない女性ではない」
「そんなことは……」
Aは少し頬を赤らめ、顔を背けた。
「だが、」
風介は、カウンターにコトリ、と置かれたグラスを見つめ、静かに口角を上げた。
「この選択は、間違っているな」
「……え？」
「いや。気にしなくていい」
「気に、なります……ｹﾄﾞ……」
「まあ、こういう酒は……男の前では控えておくことだね」
「はあ……」
よく分からない、といった表情を見せるA。
風介は意味有りげに笑みを浮かべたまま、自らも酒に口をつけた。
「ん……甘い、ですね。コレ」
「だから言ったんだ。度数も強い方だぞ」
「そ、そういうことは先に言ってくださいよ…」
「マスターの前で言えば、Aが恥をかくことになるだろう。
それに、チェリーブロッサムを選ぶとは、少し……可愛い、と思ってしまった。不覚にも」
「不覚、って」
風介さんは、煽てるのが本当にうまいなァ。
酔いのまわりかけてきたAは、ぼんやりとそんなことを考える。
すると風介は、微笑を浮かべたままAの前髪に触れた。
「いや、まあ。可愛いと思ったのは本心だが……な」
そして美しい蒼い瞳が、Aを捉える。
「風介、さん……？」
「君はもう、私の手の中だよ」
風介がニヤリと口角をあげた時には、Aの意識はフツリ_____途絶えていた。
__________
ビターで大人チックな一話。
難しかったです。
それでも、風介さんらしい大人の顔が描けたかな。
こちらも晴矢編同様細かな設定や世界観は秘密です。
【怪しげな風介の罠は、甘美なハニートラップか、否か。】
Secret Love【剣城優一】→←You Are With Me. ２【南雲晴矢】
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ルーリィ - 貴志部 凉香さん» 了解いたしました！お待ちしています。 (2016年8月26日 13時) (
レス) id: ecf6c14e53 (このIDを非表示/違反報告)
貴志部 凉香(プロフ) - ルーリィさん» 昨日確認したところ、データが消えてしまっていたようです。保存できていなかったのかもしれません＞＜ 一発書きでしたので、もう一度書き直して後日投稿させていただきます。 (2016年8月26日 12時) (レス) id: 4b9f32d985 (このIDを非表示/違反報告)
ルーリィ - 貴志部 凉香さん» やはり私が見落としているのでしょうか？パソコンから確認しても見当たりません。 (2016年8月26日 12時) (レス) id: ecf6c14e53 (このIDを非表示/違反報告)
ルーリィ - 貴志部 凉香さん» はい……何故でしょうか、見えませんね……。何ページですか？ (2016年8月24日 21時) (レス) id: ecf6c14e53 (このIDを非表示/違反報告)
貴志部 凉香(プロフ) - ルーリィさん» 風魔くんですよね、投稿されていませんか？非表示設定にはしていないはずなのですが、、、 (2016年8月24日 15時) (レス) id: 960f3bba47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：貴志部凉香 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/n0902268/
作成日時：2016年7月20日 13時
