５６〜わかったふり〜 ページ7
「・・・痛い、ですよね・・・。」
ｴﾚ「・・・まぁな・・・。」
リ「自分で噛んだ手も、傷が塞がったりしてないのか・・・？」
ｴﾚ「はい・・・。」
リ「・・・お前が巨人になれないとなると、
ウォール・マリアを塞ぐっていう大義もクソも無くなる。
・・・命令だ。何とかしろ・・・。」
ｴﾚ「・・・はい・・・。」
ペ「へ、兵長・・・、」
・・・はい。としか言いようがなかった。
兵長の言う事に、何ら間違いは無い。
このままじゃ、調査兵団の信用にさえ関わってくるのに・・・。
エ「そう気を落とすな。」
少しへりくだった感じで、エルドさんが言う。
ｴﾚ「・・・、し、しかし・・・。」
ｵﾙ「まぁ・・・、思ったよりお前は人間だったってことだ。」
続いてオルオさんが言い放つ。
エ「焦って命を落とすよりは、ずっとよかった・・・。これも無駄ではないさ。」
グ「あぁ・・・。慎重が過ぎるってことはないだろう。」
そんな風に口を開く先輩達に、ふと思った。
・・・なんで、先輩方は失望してないんだ・・・？
俺が巨人にならないと、大変だっていうのに・・・。
・・・まるで・・・、現状を変える事を望んでないみたいだ・・・。
ｴﾚ「・・・ッ！・・・」
ズキン、と手の傷が脈打ち、それと同時に持っていたティースプーンが落ちてしまう。
エ「大丈夫か？」
ｴﾚ「・・・、ええ・・・。」
・・・とにかく、何とかしてこの巨人の力を操作できるようにならないと・・・。
そう考えながらスプーンに手を伸ばした瞬間だった。
――― ピ シ ッ ・・・！
…
…
…
…
ッドオオオォォオォオォオオオッッ！！！
今日の紅茶
アップルティー
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作者名：古宇利るい | 作成日時：2015年3月4日 18時
