６６〜想いがふたつ〜 ページ21
「おはようございます・・・。」
グ「おう、おはよう。」
ペ「おはよう、A。」
いつもよりも重たく感じた扉の先。
けれど、普段となんら変わらないその光景に、ホッと肩の力が抜けている自分がいた。
昨日の一件で、少しだけ先輩達とギクシャクしてしまう気がしていたからだ。
でも、そんな事はないみたい。
エルドさんはまだ来ていなくて、エレンもまだだった。
いつもの事ながら、兵長もまだ来ていない。
独特なカップの持ち方で紅茶を飲む姿もまた、いつも通りだ。
オルオさんはというと、今日が朝食作りの当番なので、台所にいる。
・・・。
・・・ん？
「・・・へ、兵長・・・！？」
リ「・・・なに意外そうな顔してる・・・。」
淡々とした物腰で兵長は言う。
それが当たり前だとでも言うように。
その様子さえ軽くショックだ。
「い、いえ・・・。その、お早いですね。」
リ「・・・眠れなかっただけだ。」
ペ「私が来た時には、もう兵長がここにいたの。」
ペトラさんが付け足すように間に入る。
その一言に関しては、素直に感嘆した。
「そんなに早くから・・・？」
リ「まぁ・・・、自分でも早いとは思ったがな。」
ペ「・・・余談ですけど、お疲れだったらちゃんと休んでくださいよ？兵長。」
リ「あぁ・・・。すまねぇな。」
ペ「・・・、ぃぇ・・・。」
ガタンッ！
オ「痛ッてぇ・・・！！」
突然、大きな物音と同時に、オルオさんの声が聞こえてくる。
グ「・・・また何かやらかしたな、オルオ。」
ため息交じりに椅子から立ち上がるグンタさんと、
ペ「全く、今度はどうしたの・・・！？」
同じくため息交じりに台所に入っていくペトラさん。
オルオはあまり手先が器用じゃない、とペトラさんが言っていたから、
何か怪我をしてしまったら大変だ。
様子を見ようと、私も厨房へ向かおうとした。
リ「・・・A・・・。」
そこで、リヴァイ兵長に呼び止められる。
「、はい？」
・・・だが、すぐに用件は述べられなかった。
少しだけ、ほんの少しの間隔。
リ「・・・いや・・・、そういやお前、この前出した書類はどうした。」
「え？」
リ「あ？」
・・・一瞬、凍りついた。
リ「・・・おい、忘れてた訳じゃねぇだろうな。」
「・・・す、すみませんッ！あの、今日中には出します・・・！！」
経歴書の事を忘れてました。
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今日の紅茶
アップルティー
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作者名：古宇利るい | 作成日時：2015年3月4日 18時
