５９〜わかったふり〜 ページ11
今回の実験の責任者であるハンジ分隊長が、上層部に諸々の報告をしている頃。
食堂の隅で、栗色の髪をした男性に声を掛けた。
「・・・あの、すみません。」
？「ん？あぁ、Aちゃん・・・だよね。どうしたのかな？」
「えっと、その、この前の事なんですけど・・・。」
？「・・・？・・・」
そう聞いて、彼は少し考える素振りを見せるが・・・。
やがて思い出したような表情で切り出す。
？「あぁ、君が兵長に呼ばれた時だね？」
「はい・・・！あの時は本当にありがとうございました・・・！」
？「あはは。いや、別にいいんだよ。そこまで感謝される事じゃない。」
「いえ・・・。本当に、とても勇気付けられたものですから。」
結局今までお礼を言わずにいたけれど、
彼がどこにいるのかも分からなかった為、言えず仕舞いになっていたのだった。
・・・よかった、ここで言えて・・・。
モ「そういえば、名前を言ってなかったよね。
俺はモブリット・バーナー。見ての通り、ハンジ分隊長の副役だ。」
「はい、よろしくお願いします・・・！」
・・・キィ・・・、
お互いに挨拶をしていた時、その扉が開く。
ﾊﾝ「いや〜、長らくお待たせしたね。」
いつもながら、爽やかな笑顔で登場するハンジさん。
モ「分隊長、上への報告は・・・。」
そんな問いに対して、ハンジさんは親指を立てて答えた。
ﾊﾝ「オッケー！大丈夫だよ、ちょっと時間掛かったけど。
モブリット、リヴァイ達を呼んできてくれないか？
エレンにも必要な話がある。」
今日の紅茶
アップルティー
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作者名：古宇利るい | 作成日時：2015年3月4日 18時
