10. ページ10
O｢何、暗い顔して。｣
智くんの手が俺の頭をぽんぽん撫でてきて、思わず泣きそうになって俯いた。
O｢どうした？大丈夫か？｣
智くんが俯く俺の顔を覗き込む。
今みたいに優しすぎる智くんが昔から大好きで。
どうしたらいいか分からなくなって、ずっと堪えてた涙が出てくる。
O｢翔くん？｣
智くんの指が俺の頬に触れて涙を拭った。
どうしたら俺はあなたのことを諦められるんだろう。
何故か頭がクラクラしてきた。
動いていないはずの智くんの顔が不自然に揺れて、体が勝手に智くんの方に倒れ込んだ。
O｢わっ、翔くん？大丈夫？｣
S｢…大丈夫っ｣
離れようとしたら智くんが俺を強引に抱き締める形になった。
O｢じっとしとけ｣
鼓動が聴こえてしまってるんじゃないかと考えた。
でも、どうしてか離れることが出来なくて。
智くんの抱き締める力が強いのもあると思う。
大人しく智くんの温もりに包まれる。
智くんの言葉通り、暫くじっとしてた。
でも離れるタイミングが分からなくなって。
S｢もう大丈夫だよ、有難う｣
また離れようとしたのに。
O｢ん、もうちょっとこのまま｣
今度は優しく抱き締められた。
そんなことされたら勘違いするよ。
抵抗しない俺も同罪か。
O｢ダメだ、離れらんない｣
智くんが何を考えてるのか全然分からない。
そうだ酔ってるんだ、きっと。
S｢ねぇ、酔ってるでしょ｣
O｢ふふ、そうかも｣
やっと体を離してくれた。
智くんに抱き締められるのがこんなに心地良いなんて知らなかった。体が熱くて仕方ない。
O｢帰るわ、俺｣
S｢うん、おやすみ…｣
心拍数は上がったまま、帰っていく智くんの背中を見送って玄関の鍵を閉めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 343人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きよ(プロフ) - 山櫻さんお話しありがとうございます。続きがとても気になっていたので嬉しいです。やっと気持ちが繋がって良かった。これからは、お互いを想いすぎてすれ違う事がないようにと祈っています。更新を楽しみにお待ちしています。 (2023年4月16日 10時) (
レス) id: dcaa28dbe3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山櫻 | 作成日時：2017年3月10日 21時
