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第21話 ページ21
然し今はやはり
近いし痛いし泣き顔までも見られて
……恥ずかしい、とても
諸泉「……出来た。痛くないか？」
それに対して小さく否定するA
改めて痛みを痛感したのも相まって
様々な感情が入り乱れてまともに喋れない
よく今の今まで耐えられたものだ
痛い、悔しい、恥ずかしい、
言葉に出来ない感情が涙となってぽろぽろ零れる
諸泉「ほら、あんまり泣くと腫れるぞ」
苦笑しながら宥めつつ優しく背中を撫でてくれた
Aは氷嚢を貰い、
手当してくれたガーゼの上から押し当てた
その光景を遠くから見守る影が2つ
組頭と陣左が覗き見している
雑渡「…和むねぇ」
高坂「ですね……」
その2人を後ろから不思議そうに見つめる陣内
───
その後はしばらく
大口を開けない事と雑炊縛りの生活を送るA
それを聞いた組頭がほぼ毎日側までやって来て
顔のガーゼをまじまじ見つめたり
雑炊を食べさせようとしてきたりするので
困惑する日々
雑渡「はいあーん」
A「…や、あの……自分で食べられますから」
雑渡「恥ずかしがらなくていいのに」
A「何でそんな楽しそうなんですか…」
珍しいものを見に来る様な感覚の組頭に
少しばかり戸惑うAであった
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作者名：成瀬 | 作成日時：2022年7月25日 16時
