【忍たま】灰色の隣側 (ページ16)

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第16話ページ16

戻る迄此処で待っていろ、と
尊奈門さんに言われて
大人しく茂みの中で待つ事5分

空は紅茶色に染まって
東の空にはうっすら星が出ていた

きり丸「Aさん大丈夫かなあ……無事だと良いけど…」

諸泉「優しいんだな」

きり丸「別にそれ程でも……ってわあああ!?!?」

気付けば真隣に居た尊奈門にビビり散らかして抜けていった、きり丸の魂

諸泉「だから何でそんなに驚くんだ…」

喜んでいいのか反省すべきか
曖昧なままきり丸の魂をキャッチして
本人の鼻から戻してやった

きり丸「…はっ！！んもう、吃驚させないでくださいよ…！」

諸泉「…すまない」

何時も土井先生に負けているとは言え
忍者という根本は変わり無く
密かに感心するきり丸であった

諸泉「ああほら、預かってきたぞ。本人も謝っていた」

伝言を伝えて売上金の入った小袋を渡すと
銭目で大はしゃぎするきり丸
恐らく聞いていない

そのまま安全に忍術学園へ送り届けた

きり丸「わざわざありがとうございました！」

諸泉「こちらこそ、巻き込んでしまってすまなかった」

きり丸「Aさん、大丈夫そうでした…？」

諸泉「ああ。一先ず安否確認の方は」

きり丸「心配すね……あ、そうだ
そういえば、運ばれてる最中にこんなの見つけたんですけど」

諸泉「…簪？」

きり丸が取り出したのは、
梅の花の模様があしらわれた艶のある美しい簪

きり丸「お返しと言っては何すけど
Aさんには申し訳ない事しちゃったし…似合うと思いません!?」

諸泉「確かに……っておい、私に渡されても」

きり丸「誰か女性の方が落としたと思うんす
Aさんのお友達の物かも知れないし…一応、持っててください！」

確かにAに似合いそう……じゃなくて
仕方無く受け取り、懐にしまった

きり丸と別れ、屋敷の側まで戻ってきた

Aを探そう──

A「………」

書類の事で頭がいっぱいだ
自分の故郷の事が記された物が、何故この屋敷内にあるのか

他にも資料がある気がしたが
時間を割く事は今は無謀でしかない

そう思い倉庫を出ようとしたその時──

「おい、此処で何をしている──？」

男が目の前に現れた