３００歩 ページ8
大きな部屋なのに明かりは鈍く光る二つしかなかった。
先に口を開いたのは私の方だった。
「戦争にはさせない。」
「…………。」
「やはり、そう言うと思っておりました。」
あらかじめ置かれていたイスに座り、少し大きな間をあけて彼と話をした。
肌を刺すこの威圧感。
負けちゃいけない。皆を、
「戦わせはしない。」
「……。」
「ただでいくとは思ってない。……そちらの条件を聞こう。」
「………第一条件に、」
「……。」
「白ひげ海賊団の脱退。」
「……。」
心をちくり、と何かが刺したが
顔の表情は１ｍｍも変えずに、男の目を見た。
元帥も私の目を見ていた。
「それはもう終えました。」
「承知しておりまする。」
「第二の条件は？」
「………分かっておりますでしょうが、」
両手の指の上から、私を除き、見る目も出す声も、
暗かった。
「マリージョアへの帰還。そして永久にそこで暮らす、という条件であります。」
「……。」
「この条件、我ら海軍本部、世界政府、そして貴方のお父様共に考えた最低条件でございます。」
「飲み込んでいただけますかな？」
「……。」
「……。」
「私からも条件を出しましょう。」
「……………結構。」
私の願い。
絶対に聞き入れてもらわねばならない。
顔を上げて、元帥の目を見下ろした。
「私がその二つの条件を飲むかわり、白ひげ海賊団とは私に関わる戦争を一切しないと誓え。」
「！」
私の顔は、きっと
「そなたらがどう言おうと。私が天竜人と貴方達がどれほど私を追い詰めようと。」
「私の家族は白ひげ海賊団であり。親は、私を生んだ母と、白ひげ一人に変わりはない。」
「私は、�狹稽疑�A�瓩任△襦�」
「理解した上で返答せよ。海軍本部元帥、センゴク。」
生まれて生きてきて一番、
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(何て大きな矛盾)
海賊なのか。
天竜人なのか。
私はどちらなのか。
私の答えははっきりとしているのに。
世界はそれを許してはくれない。
「前向きに検討しましょう。」
「……。」
「……。」
静かな沈黙が流れる。
数秒が、数十分に感じられるようだった。
「貴方は、」
私の声が、部屋に響いた。
元帥も顔をあげた。
「私の母さんの」
「何かを知っているの……？」
「……。」
「……。」
「＿＿貴方は、母上様そっくりでございます。」
「……、」
「今日はもう遅い。廊下で海兵がまっております。」
「お休みください。」
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りな - とても面白く、一気に全部読んでしまいました！続きが楽しみです。応援しています！ (2016年7月5日 20時) (
レス) id: 07f97e4929 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - まるまる。さん» ありがとうございます！更新遅くて、ほんとにすみません...！少しずつでも更新して、きっと完結させます！物語もフィナーレに向って、No.8突入したので、どうかまた読んでください＊ (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - cherrymayさん» なななな、ナンバーワン！？何てうれしいことを...！私ですら多すぎてもうたぶん読めないのに、笑 感謝しかでてきません、！エースかっこいいですよね、！数年たった今でも一番好きなキャラクターです＊ (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - AyumiNiwaさん» せ、せ、世界いち、！？はわわ、本当にうれしい言葉をもらってしまった...！宝物にします、更新本当に遅くてごめんなさい；； 少しずつ更新しますので、どうか待っててくださいね、！ (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます、！作者、今年受験生でして...更新本当にまったりですが、必ず完結させますので、どうか気長にお待ちください；； (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2013年9月14日 20時
