３１１歩 ページ19
「エースは？」
むくり、と起き上がるエースのその行動にも慣れて
構わず食事を続けながら私は聞いた。
「怖くねェ。」
しし、と笑ってエースは即答した。
私は目を丸くした。
「？何で？」
「ん？怖くねェから。」
「何で怖くないの？」
「怪我させたりとか、....殺したりも...するじゃん。」
きゅ、とフォークを握る手が縮こまった。
「おれにはちゃんと何でそいつを殺したのかっていう理由があるから」
「怖くねェ。」
「...。」
もぐもぐと口を動かすエースをじっと見た。
考えられない。
人を殺すのが怖くないだなんて。
「それってどんな理由？」
「？あったりめェだろ。」
「...？」
「オヤジの名を、この家族を守るっていう理由だ。」
「...。」
は、と息をのんだ。
「おれは、おれが守れる奴を守りきれなかったって思うのが」
「一番怖ェんだよ。」
くしゃり、と笑ったエースの顔が、
私は忘れられない。
...ああ、
だからエースは強いんだなあ、とそう思った。
「昔、弟を守りきれなかったことがある。」
「おれのせいで。」
「...。」
エースの口は勝手にうごいてるみたいだった。
「大怪我してよ。おれァすげェ悔しくて、怖かった。」
「...。」
「だからおれァ、守りてェもんのためなら、」
「絶対に逃げねェ。」
「...。」
いつの間にか真面目な顔になってたエースに見とれてた。
鼻の下をかいて、また軽く笑ったエースにはっとした。
「はは、んなこと言ったのAが初めてだ。」
「え？」
「んん...おれ自分の弱ェとことか言うの絶対ェなかったのに...。」
眉を下げて笑うエースに、すごく何か、あったかいものが
心の奥から湧き上がってくる。
くす、と笑った私に、エースが今度は目を丸くした。
「嬉しい。」
「...へ？」
「少し怖くなくなった。」
「...。」
「私はエースを守りたい。」
「...、」
「エースは私を守ってくれる？」
「、ったりめェだろうが!!」
「え、」
腕が私の頬をかすめて、私の後頭部を掴む。
ぐっと引き寄せられる強いエースの力に敵うわけもなく、
エースの顔が凄く、近く
「一番におれが守ってやる。」
「悪ィ。」
「我慢できねェ。」
「え、」
そう言ってエースは私の唇と自分の熱いそれを重ねた。
「「「「!!!!??」」」」
「ヒュー!!朝から熱いねーっ二人!!」
「ちょっとエース!!あんたあたしのAよ!!!」
上からサッチとリア。
ここは食堂である。
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りな - とても面白く、一気に全部読んでしまいました！続きが楽しみです。応援しています！ (2016年7月5日 20時) (
レス) id: 07f97e4929 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - まるまる。さん» ありがとうございます！更新遅くて、ほんとにすみません...！少しずつでも更新して、きっと完結させます！物語もフィナーレに向って、No.8突入したので、どうかまた読んでください＊ (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - cherrymayさん» なななな、ナンバーワン！？何てうれしいことを...！私ですら多すぎてもうたぶん読めないのに、笑 感謝しかでてきません、！エースかっこいいですよね、！数年たった今でも一番好きなキャラクターです＊ (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - AyumiNiwaさん» せ、せ、世界いち、！？はわわ、本当にうれしい言葉をもらってしまった...！宝物にします、更新本当に遅くてごめんなさい；； 少しずつ更新しますので、どうか待っててくださいね、！ (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
Kanae(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます、！作者、今年受験生でして...更新本当にまったりですが、必ず完結させますので、どうか気長にお待ちください；； (2016年6月24日 22時) (レス) id: 490cf01df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kanae | 作成日時：2013年9月14日 20時
