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思わず呆然とする。
が、私をすり抜けて次々と出口へと向かう
人々を見ているうちに、ようやく自分も逃
げなければ、ということに気が付いた。
大量のプロテインを抱え、人々に紛れるよう
に私も走り出した。
まさか、火事なんて。
追い打ちをかけるようにアナウンスが店内に
響き渡る。
「1階、フードコートにて火災が発生しました。
速やかに避難なさいますよう＿＿」
「きゃああ！」
そのアナウンスに被さるよう、誰かの
叫び声が遠方から響きわたった。
思わず振り返る。と、そこには若い私と
同い年くらいの少女。目をつぶりながら
恐る恐る逃げている。
「ねぇ、あなた！！走って！！それじゃ
逃げ遅れます！！」
何をしているんだあの子は。私は思い切り
叫ぶが、そのときに吸い込んだ息の感じで
かなり煙が回り始めていることに気が付いた。
「こ、怖くて目が開けられないの。お願い、
助けてください……！」
「そんなこと言ってる場合じゃないです！！
目を開けて！ここまで走ってきて！！大丈夫、
私が一緒に逃げます！！」
「わ、わかった、おいていかないで……！」
そして、彼女がようやくゆっくりと目を開け
こちらへ踏み出したその時だった。
ドンッッ！！！と、強烈な音が響き渡り、
彼女の後ろで火の粉が飛び散る。どうやら
爆発が起こったらしい。
「お願いします！！走ってください！！」
「ごめんなさい、動けない、動けない……」
とうとう、少女はそこにうずくまり始めた。
あぁ、嘘でしょう。こんな人のせいで私は
死ぬのか。自分で命を守れない人は、結局
こういう場面で弱者になる。
……が、それを見逃せなかった私も結局は
弱者になってしまったというわけなのだろう。
霞み始めた視界に終わりを感じながら、今
初めて出会ったこの知らない少女のために
私は最後まで尽くすことにした。
業火の中、彼女の横に座り肩を抱いた。
知らない少女の肌は柔らかかった。
細くて小さくて、いいにおいがする
気がした。
……あぁ、この感覚が好きで、私は女の子に
恋をするようになったんだっけ。
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ハナゴエ - 更新されてる、、！待ってました、ありがとうございます泣 (2020年4月5日 14時) (
レス) id: e0b4fda0b0 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - しじみごはんさん» 閲覧ありがとうございます！ひえ……すごく嬉しいです！これからも楽しく更新させていただこうと思っております！コメント感謝いたします…！ (2020年4月2日 14時) (レス) id: 3b7a7a1dee (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 前々からいつも見させてもらってます…！！！本当に、主人公ちゃんの女の子が好きという設定から、話の途中途中に入ってくるツッコミとか、表現の仕方とか全部どツボでめちゃくちゃ好きです！！！(唐突な告白)これからも応援しています！！！ (2020年4月1日 23時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 直角から失礼します。さん» 不定期更新で申し訳ないです……！閲覧ありがとう御座います！楽しんでください……！ (2020年3月28日 11時) (レス) id: 3b7a7a1dee (このIDを非表示/違反報告)
直角から失礼します。(プロフ) - 更新されてて嬉しかったです！！ありがとうございます！！ (2020年3月28日 4時) (レス) id: ab4027dd5b (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年10月15日 0時
