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ジャーッ、と、水道から水の出る音が響く。
カチャカチャと音の立つ食器たち。
泡立つ洗剤。飛び散る水しぶき。
私はそれらをまとめてシンクで揉みくちゃに
して、大量の皿洗いを担っていた。
「いやー、悪いねェ。人手不足でさァ」
「いえいえ、これくらいなら」
横にひょっこり現れたルチア。それに対し
リオ・フォーティアのブロマイド5枚分に
比べりゃ安いもんですよ、と私の心は密か
に呟いた。
＿＿＿＿3時間前。
「A、一つ頼みがあるんだ」
「え」
やはり。嵌められた。
その時にはもう既に例のブロマイドが私の手元に
あり、こちらに選択権は残っていないことをレミー
さんの目はありありと語っていた。
「……その、頼み、というのは」
「今日一日、レスキュー隊の代わりに家事を
頼みたいんだ。とは言っても買い出しと夕飯
作りだけで構わないよ」
最近は復興作業もあって、忙しいんだ、と
レミーさんは付け足した。
なるほど、それなら私にもできる手伝いだ。
「なんだ、そんなことなら…」
と言いかけたところで、私の頭は急速に回転
をしだした。しかも悪知恵を絞り出す方向で。
……これはチャンスなのではないか。
「私に出来ることならぜひ手伝いたいです。
でもその、1枚だけじゃあやる気ってもんが
ですね、出なくてですね」
私は貰ったブロマイドをぴらりと持ち上げ、
レミーさんの目の前で揺らしてみせた。
彼の顔には『案外図々しいなこいつ』という
ような言葉が分かりやすく書いてあったが、
その評価は否めないので気にしないことにする。
「仕方ないな。じゃあほら、もう一枚」
「も、もう一声、はどうですかね」
「……」
その後、もう一声コールをねちっこくしつこく
続けた結果、私はリオ・フォーティアのブロマ
イドを5枚入手することに成功したのだった。
ほかほか顔でそれを見つめる私を彼は白い目で
見ていたという後談は、言わずとも想像がつく
だろう。
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ハナゴエ - 更新されてる、、！待ってました、ありがとうございます泣 (2020年4月5日 14時) (
レス) id: e0b4fda0b0 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - しじみごはんさん» 閲覧ありがとうございます！ひえ……すごく嬉しいです！これからも楽しく更新させていただこうと思っております！コメント感謝いたします…！ (2020年4月2日 14時) (レス) id: 3b7a7a1dee (このIDを非表示/違反報告)
しじみごはん(プロフ) - 前々からいつも見させてもらってます…！！！本当に、主人公ちゃんの女の子が好きという設定から、話の途中途中に入ってくるツッコミとか、表現の仕方とか全部どツボでめちゃくちゃ好きです！！！(唐突な告白)これからも応援しています！！！ (2020年4月1日 23時) (レス) id: a2f3698a22 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 直角から失礼します。さん» 不定期更新で申し訳ないです……！閲覧ありがとう御座います！楽しんでください……！ (2020年3月28日 11時) (レス) id: 3b7a7a1dee (このIDを非表示/違反報告)
直角から失礼します。(プロフ) - 更新されてて嬉しかったです！！ありがとうございます！！ (2020年3月28日 4時) (レス) id: ab4027dd5b (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年10月15日 0時
