今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:205 hit
小｜中｜大
1 ページ3
*
「只今より、入学式を始めます」
茉莉花はそれが待ち遠しかった。中学の頃、必死に勉強して、やっと入学できた。しかも主席合格。主席合格者はどうやらステージに上がり、一言喋らねばならないらしい。私にはそれが面倒くさいと感じていたが、クラスメイトになる人にそれを伝えると、羨ましいと言っていた。
「入学者代表、佐倉茉莉花」
生徒、親からの拍手が鳴る。それが耳に直接入るような気がする。私は、恥ずかしい気持ちを隠しながら、言い切った。ふぅ。
「次に、生徒会からのお話です。生徒会長、加賀羽李雨」
かがばねと呼ばれた人は入学式の会場である体育館の入口からやってきた。赤茶色の髪に、すらりと伸びた手足。会長の足音がなる度に、女子たちの悲鳴が止まない。男子も、盛大な拍手を送っている。一体、何がそうさせているのだろうか。顔か？
確かに会長の顔はいいが、それだけでこんな拍手が起こるとは思えない。ふと、中学の知り合いの話を思い出した。
「星輝学園の生徒会は、東郷大学の推薦貰えるらしいよ。逆に、それほど賢くないと生徒会には入れないとか。」
これが正しいかもしれない。そうこうしているうちに会長がステージに着いた。彼はマイクを持つと、
「みなさーん、入学おめでとうござーいまーす！」
音が大きすぎて耳が痛くなりそうだったのを、必死にこらえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：亜鉛 | 作成日時：2020年12月27日 22時
