8人目はふわふわ王子 (ページ24)

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22. ページ24

渋谷side

BARの帰り道

いつも冷静であまり表情を崩さない雅也が

今日、あの子をスカウトしただけで

かなり怒ってた

何でや

訳ありやって言うてたけど

あんなに取り乱す程なんかな

家着いたら電話してみよか

プルルルルプルルルル

雅「なんだよ」

この一言で機嫌が悪いのが伺える

渋「あの声、俺に預けてくれへん？」

雅「またその話か、さっき断っただろ」

渋「訳ありって言うてたやろ。その訳ってなんなん？」

雅「 ‥ それは俺の口から言うべき事じゃない」

やっぱり、濁されるか

でも、あの歌声を聴いてしまったから

俺も諦められへんねん

あいつと一緒に歌いたい

って気持ちが芽生えてる

渋「どうして、あの子を守ろうとするん？」

これが一番聞きたかった事

雅「別に守ってるわけじゃない。あの子には ‥ 否、なんでもない。」

渋「明日、俺はあの子をメンバーに会わせる。本格的にスカウトとして、話そうと思う。」

雅「 ‥ 、あの子が、Aがやりたいって言うなら、俺は止めない。」

渋「おん、わかったで。」

電話を切ってからも

俺はあの子の声を思い出していた

でも、なんでフードを被っていたんだろうか

色々興味を引き立てられる奴やな

明日会うのが楽しみや