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10. ページ12

風呂を洗い終わり

そのまま新しいお湯をはった



一番風呂を貰って外へ出ると

クミちゃんが 男の人と何やら親しげに話していた



僕は顔や髪を見られないように

フードを被りぺこりとお辞儀しては

二人の横を通り過ぎた








‥ 否、通り過ぎる予定やった

男の人に腕を掴まれたのだ





「 ‥ あの 、なにか? 」


?「 初めまして、だよね?俺は都内でBARを経営してる、雅也(まさや)だ。よろしくな。 」




掴んでいた僕の腕を離して

手を俺の前に差し出す雅也さん



フードを被っているから相手の表情は

見えないが、声のトーンには波がない



僕がその手を握り返すことはない




「 ‥ A 。 」



雅「 Aくん。久美子さんから、話は聞かせてもらってたんだよ。ホームレスなんだってな。一度話をしてみたくてね、久美子さんから今日は来なくていいって連絡貰ってたんだけど。 」


「 はあ ‥ 」


雅「 単刀直入に言うと、俺の店今働いてくれる人探してるんだ。働く気ない? 」



僕が手を出さないと察したのか

下に降ろされた雅也さんの手。




どうやら、僕がいない時

クミちゃんの代わりに

風呂掃除をこの人が頼まれていたらしい




クミちゃんも もう歳やから

風呂洗うのがしんどいんやって





僕が風呂掃除に来るのは

風呂に入りたい時だけ。

言ってくれたら俺だって

毎日来たのに




‥ 気ぃ使わせてしもたな





って、この人今なんて言うた?

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作者名:有栖 | 作成日時:2017年1月18日 0時

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