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風呂を洗い終わり
そのまま新しいお湯をはった
一番風呂を貰って外へ出ると
クミちゃんが 男の人と何やら親しげに話していた
僕は顔や髪を見られないように
フードを被りぺこりとお辞儀しては
二人の横を通り過ぎた
‥ 否、通り過ぎる予定やった
男の人に腕を掴まれたのだ
「 ‥ あの 、なにか? 」
?「 初めまして、だよね?俺は都内でBARを経営してる、雅也(まさや)だ。よろしくな。 」
掴んでいた僕の腕を離して
手を俺の前に差し出す雅也さん
フードを被っているから相手の表情は
見えないが、声のトーンには波がない
僕がその手を握り返すことはない
「 ‥ A 。 」
雅「 Aくん。久美子さんから、話は聞かせてもらってたんだよ。ホームレスなんだってな。一度話をしてみたくてね、久美子さんから今日は来なくていいって連絡貰ってたんだけど。 」
「 はあ ‥ 」
雅「 単刀直入に言うと、俺の店今働いてくれる人探してるんだ。働く気ない? 」
僕が手を出さないと察したのか
下に降ろされた雅也さんの手。
どうやら、僕がいない時
クミちゃんの代わりに
風呂掃除をこの人が頼まれていたらしい
クミちゃんも もう歳やから
風呂洗うのがしんどいんやって
僕が風呂掃除に来るのは
風呂に入りたい時だけ。
言ってくれたら俺だって
毎日来たのに
‥ 気ぃ使わせてしもたな
って、この人今なんて言うた?
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作者名:有栖 | 作成日時:2017年1月18日 0時