浮気症な彼女の愛し方

飲み ページ8

.


夢主side



仕事終わり。

江口から連絡来てるかなー、なんて携帯を開けば、潤君から連絡が来ていて。

なんだろ。



［Aー！今日この後飲み行こ！］



まさかの飲みのお誘いだった。

うーん…別に今日は何もなかったし、行こうかな。



［いーですよー！］

［マジ！？やったぜ］



じゃ、場所送るねー、とお店の名前を送ってもらい、連絡は途切れた。

楽しみ！

鞄を持ち上げた私は、あることを忘れていた。

そうだ、江口に連絡しなきゃ。



［ごめん江口、今日じゅんじゅんと夜飲み行ってくるから帰るの遅くなりそう！］

［何時に帰ってくんの？］

［ん〜…10時すぎとか？かな？わかんないや］



今が7時過ぎだから…そんなに遅くまでは飲まないと思うけど。

あんまり遅くなっても、一緒に住んでる江口に申し訳ないしね。

私がおおよその解散時刻を送れば、江口が迎えに来てくれると言う。

お言葉に甘えようかな。

ありがとう、そう一言送ってから私は現場を出て、マネージャーの雅さんの車に乗り込んだ。



マ「直帰？」

『今日は飲み行くんで、○○ら辺で降ろしてもらえると！』

マ「了解。誰と飲み行くの？江口君怒らない？笑」

『えー、大丈夫ですよー笑』



一応許可取ってますし。

そう笑う私に、雅さんはため息を吐いた。



マ「そー言ってすぐ飲みだけじゃなくなるんだから…」

『いやまってならない！ならないから！』

マ「本当かねぇ笑 Aは同じこと何回も繰り返すし笑」



江口君がまだAを好きな理由が知りたいよ、と笑う雅さん。

私のマネージャーさん辛辣すぎでは。

雅さんは15年以上、私が声優を始めた頃からのマネージャーさんで、私のことを何でも分かっている、一番私が信頼を置いている人物だ。

そんな彼女は前のことを凄く引きずっているようで。



マ「だってあの時も結局浮気バレるし」

『いやあの後丸く収まったし…』

マ「それが原因で倒れるし」

『いっ、いやあれもっ…』

マ「で？江口君一筋になったと思ったら普通に色んな男と飲み行ってるし」

『いやそれは同業者だからね？』



これ以上私を虐めるのはやめてくれ。

耳を塞いでツンッとそっぽを向いた私に、雅さんは少し笑った。



マ「私はねぇ、Aが心配なんだよ。倒れた時どれだけ心配したか…」



…ごめんなさい。心配かけないようにします。


.

.→←取り合い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す